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メトロポリタン美術館展―国立新美術館 [美術・博物館]

 2010年ニューヨーク五番街のメトロポリタン美術館を一度だけ訪ねたことがあり、物凄く広くて驚いた。展示品ではないが今回目新しいと思うのは、出口にあるデジタル化された年表だ。メトロポリタン美術館のヨーロッパ絵画部門2500作品を、点描画の点の数とし、象徴的に絵を構成して見せる。壁一面に投影された画面は作品ごとに変化し、左半分は多分作者の年譜と、関係あるヨーロッパ地図、右側は点描画と、制作時期の歴史的出来事も現れる。画面は目まぐるしく変わるので、全情報を一度に把握することはできないが、展示出口でこれまで見てきた作品を確認できるのは面白い。展覧会では普通年表の展示があるが、こんなデジタル年表は初めてだった。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-02-28-1
 今回日本に貸し出されたのはヨーロッパ絵画65点で、フェルメールは《信仰の寓意》のみ来日した。新教の国オランダで、密にカソリックを信仰する人が依頼した作品らしい。フェルメール自身も結婚を機にカソリックに改宗したそうだ。
 ニューヨークにもフェルメールがたくさんある。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-02-28-1
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-02-28-2
 残っているフェルメールの作品は37点と言われるが、観覧コンプリートまであと数歩。英国に行くことはまずないので、一点でも日本に貸し出して頂きたいものだ。
 ここ何年か、絵画を斜め前方からも距離を変えて鑑賞するようにしていたが、今回下から覗いてみると、また新しい風景が見えた。近代絵画は美術館に飾られる前は、邸宅の壁などに掛けられ、朝に晩に眺めることができたのだろうと想像する。風景画でも人物画でも斜めからみると立体的に絵の中が見渡せるが、下から覗くとさらに遠く奥深くまで、遠近感が増し、対象の裏側まで覗ける気がする。
 静かなシスレーの橋の風景、細やかなターナーの、時代を越えたヴェネチア、独特なタッチのゴッホの果樹園、ドガもルノワールの人物も、セザンヌの景色も、絵の中に入る気分を味わえるのは楽しいものだ。音楽のように、感じ方も人様々と許してほしい。
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