SSブログ

読響ーハンス・ロット、プフィッツナーチェロ交響曲 [コンサート]

 二年近く前、未知の曲、ハンス・ロットの交響曲の演奏に参加するにあたり、連れ合いが、市販されているCDを次々買い揃え、聞き比べた結果、自分はヴァイグレのCDを練習の手本に選んだ。音楽が自然で誇張も煽り感もなく、上品だったからだ。
 今年の二月、神奈川フィルとN響のロットを聴き、今回は読響。CDのイメージ通り、穏やかなテンポで、精神的に安定感がある。Hr.は6本、二本増やしただけで、この日の舞台横の席からでは、Hr.の音量が強調されたり、弦楽器全員がむしゃらに弾いている感じはなかった。ヤルヴィの演奏と比べると、エキサイト感は低い。これは好みの問題だが、マーラーに負けず、弦楽器も4楽章は力勝負であるところを、もう少し見せて、聞かせて欲しかった。
 プフィッツナーという作曲家も、このチェロ協奏曲 も初めて聞いた。とてもロマンティックで2楽章しかないが、美しいところばかりだった。ヴァーグナー的と解説に書いてあったが、私が感じたのは2楽章で繰り返されるワンフレーズがヴァルキューレを思い起こさるところ。短い曲なので、ソリストも余力があり、何とアンコールに、バッハ6番のプレリュードを演奏してくれた。コンチェルトの時のように、ロマンティックに。
 チェリストのことも知らなかったので、後で調べたら、今年バッハ無伴奏全曲CDを発売しており、数年前、ドイツで広告かネット記事で見た、DBの駅でバッハを演奏していた、あのチェリストだった。
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
チェロ=アルバン・ゲルハルト
プフィッツナー:チェロ協奏曲 イ短調(遺作)
ハンス・ロット:交響曲 ホ長調
サントリーホール
FD2550ED-81A9-46B2-8CF1-4E615B0FCC48.jpeg


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

新日本フィルーブルックナー:交響曲第7番 [コンサート]

 9年前、マエストロ上岡/ヴッパータールのオケの演奏を、東京で初めて聞いて以来の生演奏。その間映像では指揮者の姿を見たと思う。
 マエストロが見せてくれるブルックナーの世界は、私のイメージにある、冷静さの中で構築され、じわじわ広がる音楽ではなく、躊躇なく次から次へと人の感情を揺さぶり、まるで腕を捕まれ、音の中に引き込まれるような、抵抗し難い感触だった。コンマスはヴァイオリンを、高く持ち上げ、立てて弾いたり、ひねったり、指揮者に応えるコンマスのエネルギー溢れるパフォーマンスが絶品だった。マエストロの印象は以前と変わらず、ブルックナーなのに、エンターテインメントのようで、一瞬一瞬にエキサイトした。
 出だしのVn刻みは、無から湧き上がるようで、Vcのメロディーは優雅だ。A-Dur ならではの開放感が紡ぎだす響きは、舞台上の音というより、自分の今置かれた空間そものの音、舞台との一体感という言葉そよく聞くが、こういうことなのじゃなあと感じた。
 シューベルトは、オケにお任せで、小節の頭のきっかけを指揮棒で与えた後の歌い方は、コンマス一任という感じ。優しさと温かみを感じる演奏だった。音を投げ出すような指揮ぶりは、嫌いではない。楽しいコンサートだった。
シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D417 「悲劇的」 Schubert : Symphony No. 4 in C minor, D417 “Tragische”
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 Bruckner : Symphony No. 7 in E major, WAB 107
指揮:上岡 敏之 コンサートマスター:崔 文洙(チェ・ムンス)
B21A14DB-BCFA-4146-B5FD-8928C3AC8381.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽