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ドイツ人とは誰のこと? - ドイツ社会の多様性について Teil 2 - [講演会]

 先月に続き、ドイツ社会の多様性について持田節子先生が経験された、数字に裏付けられるここ35年のドイツの変化と、現在のドイツについてお話を伺った。
 先生が初めてドイツの土を踏まれた1972年以降、年代を追って、ドイツの変化、ドイツ人像の変化など、具体的なお話をたくさんして下さった。それを前提に自分にも思い当たることがある。
 個人的にはミレニアム以来ドイツに興味以来をもち、ユーロ導入以降、自分が接してきたほんの一部のドイツの、その時々の経過点の意味を少しでも知りたかった。
 2002~3年ごろトルコ人に対する不満を現地人から聞いたが、次第に寛容になり、ドイツ語教師は、苦労の分かるトルコ人が良いという話に変わっていった。
 2006年のワールドカップ以降、田舎でも英語がよく話されるようになり、外国のお客さんに親切になったと実感している。
 2012年には、ドイツ人と結婚したスロヴェニア人女性が放課後授業を担当している小学校の見学に誘われ、移民の子供たちと話した。親たちが一般社会から外れた人たちであること、転入してきても、親はドイツ語を話せないので、何か話したい言葉の始めか最後の一文字でよいから、コミュニケーションのよすがにしたいと、子供を通して連絡するとのこと。同じ年、トルコ人のドイツ語教師から、教材として国籍取得テストを見せられた。
 2015年夏、まさに移民問題が始まったとき、ミュンヘン郊外のサッカーチームのある小さな町の友人家族から、お年寄りが増えて空き家になった家を難民に提供したり、ヴォランティアでお年寄りがドイツ語を教えていると聞かされた。難民ウェルカムの時期だ。これらの経験は持田先生のお話の中の小さな事例だろうと思われる。最近では、パリ発のDBで旧国境駅、ストラスブールで長時間停車し、車内全員の人物確認が済むまで、列車の扉が開かなかった。難民の入国チェックだ。
 この日示されたドイツの統計によると、総人口8,260万のうち、移民は人口の24%、純粋ドイツ人62.5%、今はBio Deutscheというそうだ。外国籍の数は1,060万11,52%、そのうち70%はヨーロッパ人、また、日本人は38,000人くらい居るらしい。亡命者の数や国籍の変化は世界情勢を反映しているとのこと。現在移民の国ドイツでは、メディアに登場し、広く親しまれている有名なトルコ人もおり、移民、ジェンダー、健常者/障害者、などあらゆる多様性が容認されている。一方で、AfDなど右派政党が議席数を増やしているのも、周知の事実だ。

講師: 持田 節子 先生
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