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新国立劇場-ホフマン物語 [オペラ(国内)]

 ドイツ音楽、イタリア音楽、ロシア音楽、フランス音楽、北欧音楽、ラテン系、スペイン系位だろうか、いつ頃からか、身体で感じる音楽のイメージが自分なりに分類されていて、聞きながらその特長を楽しんでいるなあと感じることがある。しっくりくれば、いい心持だ。ドイツ音楽に嗜好が偏っているせいだろうが、自然体で聞いていても、久しぶりに聞く音楽にドキッとして、新鮮に感じる時があるのは、あまり良いこととは思わない。ホフマン物語も、しばらく聞いていなかった。新国立の美しい舞台と10年以上前、初めて聞いたフォークトの美声は、はっきり覚えていたが、音楽の印象は、舟歌以外、曖昧だった。
 今回感動したのは、チェロのソロ。オッフェンバックの出自、経歴、チェリストだったことなど、或いは、オーケストレーションを受け持った作曲家の個性も関係しているかもしれないが、イタリアオペラでの歌に寄り添うソロとも違い、歌い込んだワーグナーのソロとも別物、歌と同等に、もう一つの美しい旋律を同時進行で奏でていて、音楽全体の中に空間の余白を見た気がする。
 歌手では、バスバリトンのKoniecznyが目立って良かった。今年あと2演目聞く予定がある。メゾソプラノのBelkinaは、新国立でもお馴染みだが、2年前プラハで、軽やかなチェルネントラを聞いた。今回のミューズ役は、意外と堂々としていて、役の幅もまだまだ広がりそうだ。日本人歌手も良かった。
 フランス語劇なのに、言葉の印象が薄い気がするのもひっくるめて、この作品の存在意義のように思った。
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【ホフマン】ディミトリー・コルチャック
【ニクラウス/ミューズ】レナ・ベルキナ
【オランピア】安井陽子
【アントニア】砂川涼子
【ジュリエッタ】横山恵子
【リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダペルトゥット】トマス・コニエチュニー
【アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ】青地英幸
【ルーテル/クレスペル】大久保 光哉
【ヘルマン】安東玄人
【ナタナエル】所谷直生
【スパランツァーニ】晴 雅彦
【シュレーミル】森口賢ニ
【アントニアの母の声/ステッラ】谷口睦美
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