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フォン・ヴェアテルン大使講演会と懇親会~欧州のポピュリズム~ [講演会]

 フォン・ヴェアテルン大使の講演を聞く機会を得て、初めてドイツ大使館の中に入った。ポピュリズムについての講演は40分、質疑応答を重視して20分取ってあったが、時間切れで、続きはレセプション会場でということになった。
 当然かもしれないが、大使は非常に真面目な方で、対話重視のメルケル首相の代弁者のような印象だった。ポピュリズムの弊害を前提に、それでもどちらが優れているということではなく、ポピュリストと真正面から対話し、説得して行く以外無いという、大真面目なお言葉に、建前で日本で用いられる対話という言葉との、重みの違いを痛感した。実際、時間を掛けて結論を導くドイツの議会は、結論ありきの日本の国会とは、異業種の印象を持っているのは、自分だけではないだろう。
 最後は、連立政権で閣僚が変わって、日本大使の職が解かれないことを願っているというユーモアで講演を締められた。
 続いてのレセプションは、もちろんブルストも出たが、意外と質素だった。ドイツビールを期待していたわけではないけれど、ビールはサントリーモルツだった。大使はそういうことはあまり気にされないということだった。
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「ペトラ・ラング氏を迎えて」 [ドイツ語]

 ペトラ・ラングさんのブリュンヒルデ、イゾルデ、オルトルートは、旬の舞台と言えると思うが、ラングさんについて何も予備知識が無かったので、東京の春音楽祭の3つのインタヴュー記事にさっと目を通してから、お話しを聞きに行った。偶然、会場前で、タクシーを降りる外国人女性が見えたので、ひょっとしてと思い、一緒にお迎えした。舞台では、かなりきつめの女性のイメージだったが、エレベーターを待つ間、場つなぎで、桜はご覧になりましたか?と尋ねると、とても明るい声で、見ました、見ました!、ドイツでは、5月中旬にならないと咲かないと、二度繰り返しおっしゃり、失礼ながら、この普通の同世代のドイツ人女性のような反応に、ちょっと驚き、急に親しみを感じた。
 インタヴューでも、言葉を繰り返す話し方はラングさんの癖なんだなあと思った。元々ヴァイオリニストだったとは知らなかった。それで、歌を始めた時点で、音楽的アプローチに難儀することもなく、練習すれば技術は身につくと経験から、地道に練習されたようだ。話の端々に先生や周囲との円満な人間関係が伺え、舞台での役柄を通して、いつも人間の本質に目を向け、出会った現実に上手く適応して、人生の波に積極的に身をまかせ、ふわっと乗り越えてきた、肝の座った女性という印象だった。
 私だけでなく、ラングさんといえば、絶叫するオルトルートのイメージが強く、2年前、バイロイトでイゾルデを歌い始めたとき、意外にも絶叫していないと思ったし、そういう感想を周囲でも随分聞いた。
 声を保つため、リートは大切と、学生時代から歌い続けている。イゾルデを歌うために、年齢に応じた栄養や肉体の変化にも目を向けるなど、ストイックに声を守ろうするのとは少し違い、開放的なお人柄ゆえ、ご自身の声の可能性を真っ直ぐに追求できるのだなあと思う。ヴァイオリン弾きとして、オケの個々の楽器熟知し、聞きあえる利点もあり、気負いを感じさせないところに、まだまだ余裕が伺える。

テーマ:「ペトラ・ラング氏を迎えて」
お 話:ペトラ・ラング(ソプラノ) 聞き手:鈴木伸行(当協会理事) 通 訳:蔵原順子
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新国立劇場-ホフマン物語 [オペラ(国内)]

 ドイツ音楽、イタリア音楽、ロシア音楽、フランス音楽、北欧音楽、ラテン系、スペイン系位だろうか、いつ頃からか、身体で感じる音楽のイメージが自分なりに分類されていて、聞きながらその特長を楽しんでいるなあと感じることがある。しっくりくれば、いい心持だ。ドイツ音楽に嗜好が偏っているせいだろうが、自然体で聞いていても、久しぶりに聞く音楽にドキッとして、新鮮に感じる時があるのは、あまり良いこととは思わない。ホフマン物語も、しばらく聞いていなかった。新国立の美しい舞台と10年以上前、初めて聞いたフォークトの美声は、はっきり覚えていたが、音楽の印象は、舟歌以外、曖昧だった。
 今回感動したのは、チェロのソロ。オッフェンバックの出自、経歴、チェリストだったことなど、或いは、オーケストレーションを受け持った作曲家の個性も関係しているかもしれないが、イタリアオペラでの歌に寄り添うソロとも違い、歌い込んだワーグナーのソロとも別物、歌と同等に、もう一つの美しい旋律を同時進行で奏でていて、音楽全体の中に空間の余白を見た気がする。
 歌手では、バスバリトンのKoniecznyが目立って良かった。今年あと2演目聞く予定がある。メゾソプラノのBelkinaは、新国立でもお馴染みだが、2年前プラハで、軽やかなチェルネントラを聞いた。今回のミューズ役は、意外と堂々としていて、役の幅もまだまだ広がりそうだ。日本人歌手も良かった。
 フランス語劇なのに、言葉の印象が薄い気がするのもひっくるめて、この作品の存在意義のように思った。
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【ホフマン】ディミトリー・コルチャック
【ニクラウス/ミューズ】レナ・ベルキナ
【オランピア】安井陽子
【アントニア】砂川涼子
【ジュリエッタ】横山恵子
【リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダペルトゥット】トマス・コニエチュニー
【アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ】青地英幸
【ルーテル/クレスペル】大久保 光哉
【ヘルマン】安東玄人
【ナタナエル】所谷直生
【スパランツァーニ】晴 雅彦
【シュレーミル】森口賢ニ
【アントニアの母の声/ステッラ】谷口睦美
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