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上野学園大学 第63回 オーケストラ定期演奏会 [コンサート]

 上野学園のオケを下野さんが指揮する広告を見て、何となく行ってみると、石橋メモリアルホールが新しくなっており、しかも下野さんは、上野学園大学の教授に就任されていた。2005年から秋の定演を指揮しているとのこと。そう言えば、ホールも下野さんも、久しくご無沙汰していた。
 一曲目ハフナーは、指揮者なしの演奏に挑戦しますと、最初に下野さんがご挨拶に現れた。才能ある若手指揮者と言われた時代から、何年たったのか、教育者の風格が漂っていた。
 ハフナーを聴いて、かなり厳しい指導があったのだろうと感じるところがあった。ウェーベルンと、ショスタ5は、ハーモニーが美しかった。空間の中に、正しく音程を配しているイメージとでも言おうか、重なる音の中の、音の無い空間が訴えかけて来て、その瞬間単ゾクッとする。キレが良く端正で整然と、そして美しい、キリル・ペトレンコに通ずるところがちょっとある気がする。音は瞬間の連絡なのだ。ショスタ5の最後、トランペットソロの後、1Vnが美しいメロディーを弾くところでは、ぐっと来た。指揮者だけは常に冷静なのが心憎い。
 もう一つ、このオケは、各パートを、教師陣がリードしているのに、印象はとてもアマチュア的で、パワー全開、天井の見えない勢いがある。大人のプロの音楽家という意味で、個性重視の演奏家と違い、教育者は全人格をさらけ出し、自ら手本を示す人たちなのではないかと強く感じた。もっと言えば、先生方の方が、遥かに楽しそうで、すっかり下野教授に魅せられてしまったのではないだろうか。リストのピアノコンチェルトも、ソリストもオケも一分の妥協無く、整然とした素晴らしい演奏だった。
指揮:下野竜也
ピアノ:下里豪志(独奏)
上野学園大学管弦楽団
モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K385「ハフナー」
ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品 作品10
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S124
ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番 ニ短調 作品47
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長谷川陽子&向山佳絵子 プロデュース・ チェロ・コレクション [コンサート]

 長谷川陽子&向山佳絵子の初共演、「異世代チェロ奏者の交流」という耳慣れない言葉も気になり、久しぶりにチェロアンサンブルを聴きにHakujyu Hallに出かけた。長谷川さんが、若い人と一緒に演奏してみたいというお話で、少し前まで若手女性チェリストといわれていた、お姉さま二人がプロデューサー。バッハへのオマージュとして、 毎回、若手奏者の無伴奏が一曲入る。
 演奏会としてよくまとまっていて、昔よく出会ったチェロの腕自慢大会ではなく、お姉さまを守り立てる後輩たちは、控えめな雰囲気で、気持ち良くお客さんを楽しませる演奏会だった。
 作曲家でピアニストの加藤昌則さんが、終始ニコニコして、4人を気づかい、場の雰囲気を作っていた。加藤さんの新作が、この日の空気を作ったようにも思う。リクライニングシートを売りにしているホールとしては、企画ものの雰囲気づくりも大切にしているのかもしれない。
 やっぱり向山さんは、さりげなく、どんな曲も断トツに上手いと思う。長谷川さんは、今でも可愛らしく、細い身体で筋トレしているだろう努力に共感する。意外にも、女性二人の音の方が、重量感があり、よく歌い、次いで横坂さん、笹沼さんと、長身で一番の若手が最も軽いのは、当世の流行なのだろうか。
長谷川陽子(チェロ) Yoko Hasegawa, violoncello
向山佳絵子(チェロ) Kaeko Mukoyama, violoncello
横坂源(チェロ) Gen Yokosaka, violoncello
笹沼樹(チェロ) Tatsuki Sasanuma, violoncello
加藤昌則(作曲/ピアノ) Masanori Kato, compose/piano
[プログラム]
クレンゲル:即興曲 op.30 [長谷川、笹沼、横坂、向山]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007 [横坂]
加藤昌則:バッハ第1番をモチーフにした委嘱初演 [長谷川、加藤]
ピアッティ:セレナーデ ニ長調 [笹沼、長谷川、加藤]
トーマス=ミフネ:ローエングリンのロリ [向山、横坂、加藤]
ポッパー:レクイエム op.66  [笹沼、横坂、向山、加藤]
ビゼー/山本祐ノ介:カルメン・ファンタジー [向山、横坂、笹沼、長谷川]

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東京国立博物館ー日本国宝展 [美術・博物館]

 正倉院の宝物展示最終日に、国宝展へ行った。小学校の教科書に載っていた、玉虫厨子 、鳥毛立女屏風は思っていた以上に、古さを感じた。昔見た写真が撮られた時代から、劣化していないのだろうか、国宝を未来永劫保存するのは、可能なのだろうか。 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶の装飾の美しさには感激した。使った形跡のある、修復可能な仏像は有難い。いつの時代も、大切なものは、何度も復元されてきた。
 自分が年をとって、どんな体験も、これが最後のチャンスかもしれないと思うことが多くなってきた。
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