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Liebesverbotについての講演 [その他]

 協会例会でDas Liebesberbot(恋愛禁制)を日本語に翻訳された 松原良輔先生の作品解説を聞いた。題名の日本語訳から、シェークスピアの「尺には尺を」との相違点、各登場人物のキャラクター、筋書き意図など、細かく、分かりやすく説明して下さって、とても楽しかった。
 この夏、マイニンゲンで見た舞台が、最後を除いて、原典に忠実であることも分かった。あれは、最後、話を丸く納めず、多分イザベッラが、社会を変革しようとするテロ なのだろう。腑に落ちなかった場面、例えば、イザベッラが修道着を脱ぐシーンにルーツィオが驚く場面が強調されていたのは、これを機に、まだ不安定な修練女のイザベラが、神様でなく、現実社会にもどる、踏ん切りをつける意味であったこと、また、唯一のテノールの美声を披露するのが、悪代官フリードリヒであること、看守相手の裁判の真似事など、登場人物や、場面の「深読み」を学んだら、全て合点が行く。
 作品成立当時、16世紀に無礼講のカーニバル、結婚以外の恋愛など、社会の秩序を乱す行為が禁止されていたという設定は、無鉄砲であり得ない法律ではなかったということも知り、音楽の方も、一つの重たい動機を確認すると、自ずと社会劇のテーマが浮かびあがってくると気づき、ワーグナー生誕200年に向け、ありがたい予習をさせて頂けた。(G)
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08-3
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