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新国立劇場ートスカ [オペラ(国内)]

 新国立のトスカは2000年プレミエ以降、レパートリーとなって早10年以上たつ。楽日、トスカ役のノルマ・ファンティーニさんが輝いていた。 新国立のHPに2002年の「歌に生き、恋に生き」がアップされていて、10年の歴史を感じる。去年はプラハの歌劇場の来日公演で、トスカを歌っていることも知った。
  ワーグナーを歌うサイモン・オニールさんは、イタリア人ではないし、イタオペのテノールのような甘い声ではないが、声に弾力があって、無理なく伸び、ファンティーニさんとともに、聴かせどころで、悠々とした演技で聴衆を楽しませてくれた。役どころとして、スカルピオの強烈な悪人らしさが無かったのは、プロダクションとして残念だが、次の再演はもっと良くなると期待しよう。
 席は4階4列目、1階では気にならないのかもしれないが、オケの音がすごく大きい印象だった。勿論プッチーニは、耳をつんざくような音で恐怖や驚きを表現するが、冒頭から金管の音が散らばってしまっているようで、音の集中や重みがなく、かといって、中間音域を抜いたときの、宙を漂う軽やかさもなく、この作品中の色々なテーマ音楽(動機)を聞くとわいてくる、いつものイメージに、どっぷり浸ることができなかったのが、個人的には少し残念。でも昔ほど執着は無いので、3幕の美しいチェロのソリを聴き、サラッとした「星は光りぬ」も良いもんだと帰った。(G)

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山崎伸子 チェロ・リサイタル with 清水和音 [チェロ]

 山崎伸子さんの、50代の歴史を飾る10回シリーズ第6回目。毎年燃えさかる炎ような、ほとばしる情熱を感じる。共演するピアニストによって、大先輩をいたわったり、若者のエネルギーと真っ向から戦ったり、チェロに全身全霊をささげる強い女性に、感銘をうける。
 今年のピアニストは清水和音さん。同世代の同窓仲間でもあり、息がぴったり合っているような、自然な感じがし、いつもより、おしとやかで、力の抜けた演奏会だったように思う。清水さんの印象は、優しくロマンチックで、チェロの音を包み込み、邪魔せず溶け合い、聴いていて、暖かい気持ちになれた。後でプログラムを見たら、今年山崎さんは、「東燃ゼネラル音楽賞」なるものを、受賞されたとのこと。勝手な想像するに、この十年計画の手応えを得て、鎧を一枚脱ぎすてた清々しさのようなものを感じた。
〈プログラム〉ベートーヴェン:モーツァルト「魔笛」の「娘か女房か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 op.66
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
ウェーベルン:2つの小品、チェロ・ソナタ、3つの小さな作品 op.11
R.シュトラウス:チェロ・ソナタ ヘ長調 op.6

 2013都民芸術フェスティバルで、2013年3月5日(火)19:00 於 東京文化会館小ホール、清水和音さんは、チェロ岡本侑也さんと共演する。岡本さんは今高校3年生。楽しみだ。
http://182.93.117.36/concert/?m=detail&l=6&d=43
<プログラム> ストラヴィンスキー:イタリア組曲
ベートーヴェン:チェロソナタ第3番 イ長調 作品69
デュティユー:ザッハーの名による3つのストローフェ
ショスタコーヴィチ:チェロソナタ ニ短調 作品40
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