SSブログ

新国立劇場ールサルカ [オペラ(国内)]

 初めて接した作品だったが、森に棲む水の妖精と王子の物語は親しみやすく、森と湖をイメージする音楽は心やすらぐ。作曲された1900年頃、どのぐらいワーグナーの影響が残っていたかわからないが、3人の森の妖精、語る独唱、ライトモティーフなど想像できる。でも音楽の波はさざなみで、時々大波は来るが、うねったりはしない。
 事前に、YouTubeにある、美しい鳥や花の自然映像とともに全曲ダウンロードしてくださった方の、ドイツ語版を聞いた。重厚に演奏すれば、ドイツ音楽の心地よさも味わえて、チェコの民族音楽も聞けて、オーケストレーションも音の詰まった、とても美しい作品だと思う。チャイコフスキーと並び、ドボルザークもメロディーが豊かで、こんなに美しいドボルザークの作品なのにあまり有名でないのはなぜだろう。ヒロインのルサルカが2幕は全く歌わないということ、最後男性(王子)がルサルカを救済することが、男性社会で好まれなかったのだろうか。
 これまで、知らない題名というだけで、見過ごしてきた作品の一つに気付かせてもらった。(G)