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「ヴァルトラウト・マイヤー氏をお迎えして」 [その他]

 これまでマイヤーさんの経歴など、全く気にしたことが無いほど、名高いワーグナー歌手。初めてお話をお聞きして、聡明で、才能豊かで、強い意志をもった、憧れのドイツ人女性のイメージがさらに強まった。印象からすると、メルケル首相のような感じ。
 ヴュルツブルグの、音楽好きの家庭に育ち、幾つもの合唱団に所属、語学にも堪能で、教師になるという道もあった。バイロイトは、自分から電話を掛けて売り込んだそうだ。
 歌うことは、話すことと同じ。役柄の人物が何を言いたいのかを追究する。音楽は人物表現の手段であり、人物を定義するもの。リートも同じで、何を語るべきかの答えは、音楽とテキストの中にある。
 2018年バイロイト音楽祭、新演出のローエングリンでオルトルート役のオファーが、カテリーナ氏から、来ているそうだ。長く歌い続けるため、出演の機会を選んでいるそうで、まだまだ舞台を楽しませてくれそうで、ありがたい。(G)

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「オーケストラは語る――《ヴァルキューレ》における音色のドラマトゥルギー」 [その他]

 ワーグナー協会例会、オーケストラが作る音形と音色に焦点を当てたお話。普段から、歌手よりオケを聴いてしまう自分には、音楽が心地良く感じている理由を、音楽学的に説明していただき、和声学以外の音楽の科学に親近感を感じた。
 映画のバック音楽に、登場人物のテーマがあるのは、今は普通のことで、場面に合う効果音が出て来ることには、すっかり慣れ親しんでいる。そういう意味では、ワーグナーは、ハリウッドの冒険映画の元祖みたいなものと、どこかで読んだ。ワーグナーの音楽を嫌いな人の多くは、仰々しい、喧しいと言う。これは19世紀でなく、当代の映画の効果音を連想してしまうからではないかと思う。
 私の印象では、ジークフリート、黄昏の方が、ヴァルキューレより、さらに効果音は増えて来る。初めてリングを聴いた時の驚きは、音のみの管弦楽とは一味違い、場面を複合的に表現する"音"だった。なので、岡田さんのお話は、鮮烈な最初の印象を思い出すきっかけとなり、スコアでの使用楽器の説明や、重なりあうライトモティーフのお話は楽しく、音形と音色を以てワーグナーの特徴を論ずる音楽学は、凄いと思った。
 安易に感覚的に条件づけされてしまう者でも、探究心を失ってはいけないのだ。(G)
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東京スカイツリー [その他]

 初めてスカイツリーに上った。朝8時から当日券が売り出される。7:40 頃チケット売り場に到着。チケットを買うとそのままエレベーターに誘導され、地上350mの展望デッキにへ。混まないうちに直ぐに450mの展望回廊に上ると連れ合いが言うので、先に上へ行った。天気が良く、風景案内の写真パネルの視点より、遥か遠くまで見わたせた。せっかく来ても、天気次第で視界がきかないこともあるし、余り遠くまでみ見えると展示すると、見えなかった人にとっては余り良い気分はしないだろう。その辺りの配慮なのだろうか。面白いと思ったのは、ビル屋上に書かれた、e-Tax 宣伝、屋上広告は効果あると思う。屋上に学校名を書いてある建物もあった。
 350mの展望デッキに下りると、上より視界がはっきり、くっきり、細部まで肉眼で良く見えた。展示も色々あり、この高さまで上れば、十分だと思った。
 小一時間いてエレベーターを下り、地上で間近からスカイツリーを見上げると、空が青く、雲が流れており、錯視と分かっていても、まるで、スカイツリーがこちらに倒れて来そうに感じられ、驚いた。
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 昼飯のため、浅草から合羽橋に回る。開いている店は半分くらいで、客はほとんどいないが、さすが外国人が多い。「シェフ」みたいな感じの人も。
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 アメ横は当然大混雑で、立ち止まることもできない。こちらも外国人の冷やかしがかなりを占めるかな。客層は違うが。
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 不忍池、湯島天神、根津神社をまわってから、谷中散策。数人ずつ行動する欧米系の方が多い。
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 千代田線で原宿へ。ここも大変な人出。若い外国人が多い。
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 最後は渋谷でドイツビール。ワールドカップ仕様?
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サー・ジョン・トムリンソンに訊く [その他]

 サー・ジョン・トムリンソンへのインタヴューを聞きに行った。印象を一言でいうなら、これまで聞いた歌手のインタヴューの中で、一番自然体で、真面目に、飾らず、正直に語ってくれた感じがする。情熱あふれるテノールと違い、冷静で、自分の個性を表現するより、役を演じわける哲学を語ってくれた。さすが68歳。年齢に応じた役を、自然体で歌うという悟りの境地を間近に感じ、今のグルネマンツ役と現実の境がふと分からなくなった。(G)
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ワーグナー協会例会 パルジファル 和声法 [その他]

 三宅幸夫先生のお話を聴ける機会は少ないが、聴く度感動する。音楽学者でワーグナーのテキストを翻訳する先生はワーグナーファンの理想だ。
 この日は、パルジファルで用いられている和声法がテーマで、和声学の知識がなく、感覚的にワーグナーを聴く大多数のファンにとってはとても難しかった。導入は和声の歴史的流れの話で、助手の学生さんがピアノで弾いて、先生が解説された。ピアノが上手で、情感を込めて弾いてくれるので、とても気持ちがよい。ルネサンス期の旋律的和声の例は、マラ2の4楽章の4~6小節のコラールの和声、バロックから古典派にかけての機能和声については、使い過ぎると音楽が止まるというのは、経験的にわかる。ロマン派時代の3度近親関係については、平行和音とヴァリアント和音を、シューベルトで確認し、ブル7の多すぎる転調を聞いた。
 後半は、いよいよパルジファルの和声。565小節グルネマンツが、ティトゥレルについて語るくだりだ。実際音を出しながらでないと、内容の再現はとても無理だが、パルジファルの幾つかある特徴の中で、長三度から長三度(577小節バス音)という、西洋音楽と対立する等間隔3 度に置かれた和音/調性というは、頻繁に出てきて、言葉で説明しやすい。先生が転調についてピアニストに質問すると、的確に回答してくれるが、同じ和音を♯系♭系どちらで呼ぶかだけでなく、和音進行によって、前の和音が後から解明されるなど、複雑なワーグナーの音楽を、なるほど一音ずつ凄い研究をしているのだと、心底驚いた。作曲者にはまず和声法ありきなのか、特に音の感覚が際立っていたのか、凡人には分からないが、演奏家とは違い、後世になって、和声を解き明かす学問の執念を見た気がする。
 作品解釈についても、テキストのみの研究、音楽過多のアプローチではなく、両者のバランスがとても良い。改めて、パルジファルは純粋な救いの境地ではないという先生の解釈の方に、強く引かれた。聖杯騎手団をはっきり差別意識だと断言され、グルネマンツの自己顕示欲、なぜクリングゾールが排斥されたのかなど、先生がぽろっと口にされた中に、私個人の最初の疑問の答えが見出だせそうで、手近な答えで手を打つのはまずいと反省した。
 ワーグナーファンとしては、唯美しい音楽に酔いしれ、オケで自分の楽器パートを担うだけでなく、ピアノ伴奏譜で和声を奏でる楽しみがあることに気づき、また違った世界が広がった。

CDを聴くのではなく、ピアノなら自ら和声の転調を味わう。
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ワーグナー協会例会 パルジファル テキスト編 [その他]

 思えば、パルジファルのテキストそのものについての解説を聞いたのは初めてだった。何度も公演を見るうちに、なぜそうなるの?という疑問も、ストーリーとして受け入れてしまうのだ。しかし、たとえ作品の本質を理解せずとも、心をゆさぶられのが、ワーグナーの音楽、特にパルジファルは、自分には抵抗し難い、惹き付けられる力がある。
 今回幾つか確認できたことは、アンフォルタスが可哀想に感じることの正統性、騎士団のアガペーに軍隊的な印象をもつこと、クンドリーが何者かを見誤ると、パフジファルの変化がわからないこと。最後パルジファルは、疑いなく、救世主になるという美しさを否定するものではないということ。
 1951年に作られたヴィーラント・ヴァーグナーのパフジファルの十字という心理学的図表が、とてもわかりやすく、これを見ると、ワーグナーが、構想やテキストとして書いた、文字情報が理解できるだろう。一方で、感覚的なもの、いわば人間としての苦しみをえぐり出すような音楽なくしては、この作品が成り立たない。多くの作曲家たちが打ちのめされた、言葉と楽譜で表現された深遠なテーマを扱う舞台神聖祝典劇だと改めて気づかされる。
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ワーグナー生誕 200 年記念懸賞論文・エッセイ授賞式とコンサート [その他]

 ワーグナー生誕 200 年の年も終わりに近づいてきた。ワーグナー協会では、記念の「懸賞論文・エッセイ」を募集し、審査し、日本ワーグナー協会賞受賞者が決まり、表彰式があった。
【論文部門】  ♪岡田安樹浩 (慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程)
         「《ラインの黄金》序奏におけるワーグナーの音響作曲の試み」
【エッセイ部門】  ♪原沢健太(古河電気工業(株)日光事務所)
            「マイスターへの道~地元日光の若者制度に見たツンフトの世界」
         ♪樋口裕一(多摩大学経営情報学部所属)
            「野球とワーグナー」

 来年の協会誌に掲載される。
 その後、小さなコンサートがあり、9月のワーグナー生誕 200 年記念演奏会のカヴァー歌手のお二人が歌ってくれた。ジークリンデカヴァー田中三佐代さん、ブリュンヒルデカヴァー岸七美子さん。以前にもカヴァー歌手の演奏会があったが、こういう機会を提供するのはとてもいいことだと思う。
 秋以降、自分の中でワーグナーを封印してきたが、ワルキューレ一幕と黄昏の最後、ほんの抜粋を聞くだけで、やはり血が騒ぐ。でも、しばらくは距離を置くつもりだ。
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2013バイロイト指環報告会 [その他]

 東条 碩夫さんのバイロイト指環新演出の対談形式の報告会を聞きに行った。評論家としての厳しいご意見が出るのかと思ったら、意外と正直で、分からないことは、はっきりそうおっしゃる。皆も一番聞きたかった、ジークフリートにワニが登場する理由は分からなかった。
 演出について憤慨すれば、カストロフの思うつぼと思うが、指環を石油に置き換え、世界を制覇の象徴とするアイデアは面白いが、舞台上、上手く反映されず、リアリティーを追及しながら、詰めが甘く、演出意図が読めない、驚きの舞台だと集約される感じの対談だった。
 "演出家の意図"という言葉を良く使うが、一方で、演出家は、聴衆に問題を投げ掛けるだけで、各自が考えればそれで良いと考えているという話も聞いたことがある。
 今日聞いた話では、歌や音楽だけでは面白くないので、舞台に動きを入れるだけという人が居り、指揮者が怒ってその演出を止めさせたとか。もしそんな理由で、無意味な映像を使うなら、舞台上の動きが音楽を邪魔することを、誰か良く演出家に説明してほしいものだ。ドラマトゥルグのいないオペラ演出は、宜しくない。
 バイロイトのDr.フリードリヒが話した、ワーグナーに対する敬意も無い、ジークフリートを英雄とも思わない演出だという大前提を、常に念頭に置かねばならないだろう。日本流に言えば土俵が違うというところか。
 ペトレンコの音楽は、大絶賛だった。よく制御された、引き締まった音が素晴らしいと。私は、ペトレンコだけで、満足だ。(G)

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サイン会始まる [その他]

  恒例になっているバイロイト音楽祭の歌手たちのサイン会が、市内のマークグラーフェン書店で、始まっている。
 ニールントさんは、今年も定刻よりかなり遅れて来て、ブレットさんを待たせることになった。
 巨人兄弟、ファーゾルトのグロイスベックさんも背が高いが、ファフナーのコリバンさんは更に大きかった。
 フォークトさんの日は雨降りだったので、室内だったが、毎年暑い日に、一時間も外でファンサービスするのは、大変だ。ファンも自分で撮影した写真にサインをしてもらう人がかなりいる。DSC03884.JPGDSC03903.JPGDSC03918.JPG
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Liebesverbotについての講演 [その他]

 協会例会でDas Liebesberbot(恋愛禁制)を日本語に翻訳された 松原良輔先生の作品解説を聞いた。題名の日本語訳から、シェークスピアの「尺には尺を」との相違点、各登場人物のキャラクター、筋書き意図など、細かく、分かりやすく説明して下さって、とても楽しかった。
 この夏、マイニンゲンで見た舞台が、最後を除いて、原典に忠実であることも分かった。あれは、最後、話を丸く納めず、多分イザベッラが、社会を変革しようとするテロ なのだろう。腑に落ちなかった場面、例えば、イザベッラが修道着を脱ぐシーンにルーツィオが驚く場面が強調されていたのは、これを機に、まだ不安定な修練女のイザベラが、神様でなく、現実社会にもどる、踏ん切りをつける意味であったこと、また、唯一のテノールの美声を披露するのが、悪代官フリードリヒであること、看守相手の裁判の真似事など、登場人物や、場面の「深読み」を学んだら、全て合点が行く。
 作品成立当時、16世紀に無礼講のカーニバル、結婚以外の恋愛など、社会の秩序を乱す行為が禁止されていたという設定は、無鉄砲であり得ない法律ではなかったということも知り、音楽の方も、一つの重たい動機を確認すると、自ずと社会劇のテーマが浮かびあがってくると気づき、ワーグナー生誕200年に向け、ありがたい予習をさせて頂けた。(G)
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08-3
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「マエストロ ヤノフスキに訊く」   [その他]

 ベルリン放送交響楽団の芸術監督・主席指揮者であるマレク・ヤノフスキ氏の講演があった。ベルリンで昨年から年3演目ずつ、ワーグナーのオペラ10作品(オランダ人以降)をコンサート形式で上演するスケジュールが進行中で、順次ライヴCDも出る。2012~13年がリングだ。氏が話されたのは、昨今ワーグナーのオペラは演出過多で、舞台に気をとられて、目で聴くことを余儀なくされ、音楽に集中できないとのこと。思考プロセスが目に左右されるのではなく、耳で集中して聴いてもらいたい。歌と音楽をよく聴けば、頭の中に自ずと場面浮かぶだろうと。
 指揮者は長い時間をかけて成熟するもので、見栄えのする若い指揮者が、経験を積まず急にオペラを指揮するのは難しい。音楽の解釈こそが指揮者の仕事であり、出てきた音には全責任を負うべきだ。こうして費やしてきた時間こそが指揮者としての自信につながると、とても真面目に丁寧にお話して下さった。音楽は動きの芸術であり、止まってはならない。自分を客観的に見つめながら指揮するという謙虚さを持ち、整然と音をコントロールする真摯な取り組みようにとても感心した。
 東京の春音楽祭で2014年からリングを一作づつ振る予定だと明かされた。日本で本格的なリングが聴けるのだ。待ち遠しい。(G)

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日独修好通商150年記念公式行事-ヴォルフガング・ワーグナー氏逝去一周年記念シンポジウム [その他]

 東北関東大地震後の厳しい状況の中、日独修好通商150年記念公式行事の一つ、ヴォルフガング・ワーグナー氏逝去一周年記念シンポジウムと、作曲家湯浅譲二氏のピアノ曲公開レッスンが、慶応大学で催され、日独二か国語で、ネット上ストリーミング配信された。
 初めて聞く作曲の公開レッスンとはどういうものか想像がつかなかったが、作曲家自身によるピアノ作品解説と学生さんのデモ演奏という形で、とても興味をそそられた。無調性の譜面を暗譜するときの思考はどんな風なのだろう。人間や心情が介在しない音楽表現があるということにまず驚いた。現代音楽とはそういう類のものなのだ。
 芸術は作る人のコスモロジーを反映し、時代(社会)が変わると作品も変わるとのこと。人間一人一人経験や生きる環境が違う、また超高層ビルを知らない19世紀の人と現代人では高さや早さの感覚は違うだろう。芭蕉の不易流行を良しとし、変わらないものと変わるもの両方考えることが大切だというようなお話だったと思う。
 演奏された曲:1オン・ザ・キーボード・・・内部奏法を用いなくとも鍵盤だけで様々な特徴ある音を作ることが出来る。2.内触覚的宇宙Ⅱ・・・五線紙の上でなく数理的方法でグラフなどで音を記す。恣意的にコントロールできないシステムの中で少しだけ音を恣意的に変えるのが前衛的、現代的であるらしい。3.パストラール・・・1952年(23歳)の処女作、調性音楽。バルトーク、コープランド、ミオーに影響を受けたそうだが、私個人的にはコープランドの曲から感じる少しロマンチックな自然の情景が聞こえてくる。作曲意図は芭蕉のような、自然の中の厳しさや、自然の中の活動的精神を表現しているとのこと。

 ヴォルフガング・ワーグナー氏逝去一周年記念シンポジウム、基調講演は吉田真氏による「W.ワーグナーの生涯と業績について」。R.ワーグナーの孫として58年間バイロイト音楽祭の開催に携わってきた中で、1973年、R.ワーグナー財団を設立し、世襲していた音楽祭運営を財団に移管し、100周年に当たる1976年、演出パトリス・シェロー指揮ピエール・ブーレーズという二人のフランス人を招聘したことで、音楽祭をグローバル化し、R.ワーグナーの実験的精神を踏襲していく姿勢を示したというようなお話。
 シンポジウムに移り、実験的演出が音楽にどんな功罪を及ぼすか、或いは演出と音楽が相互に影響しあうことでワーグナーの総合芸術(舞台)にどんな効果が生まれ、また限界はあるのあか、ワーグナー作品が未来に向かってさらなる発展を遂げるためには・・というような議論がなされる気配があったが、その前に、ご発言が一巡したところで時間切れとなってしまった。
 聴講の側からは、せっかく一堂に会された第一人者の先生方のお話を、書物を通さず、じかにもう少し聞いてみたかった。ともあれ、制約の多い条件下で、夜9時近く無事終了した。(G)
http://d.hatena.ne.jp/rcaaa-a/20110317/1300330679

慶應義塾大学北館ホール
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大晦日ミレニアムから11年 [その他]

 ミレニアムをベルリンで迎えたことがきっかけでドイツにはまり込み、突き進んだ10年を経て、今年は次の10年に向けて、布石を打つべく、迷いながら、あちこちで小さく一歩踏み出してみた。すると即座に喜びとペーソスみたいなものが表裏一体で襲ってきて、捕らえどころない人生の哀感を度々感じることになった。
 2002年から旅を始めたくさんの音楽を聴き、以前より理解は深まったが、反面実際弾くことからは遠くなり、せっかく体験したことを実践する機会は減ってしまった。これでは本末転倒。
 そんな中で、今年ワーグナーのリング抜粋を演奏する機会に出会ったことだけは、影の部分がどんどん薄れ、今は100%喜びだけが留まっている。時間が足りなかったり、義理で弾かねばならない本番もあるが、人生の黄昏を実感し始めた年の暮れ、弾かずにはいられない習慣よ再び戻って来いと心が乱れる。(G)
 
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フランスとドイツのクリスマス [その他]

 ストラスブールのmarchés de Noël が日本初上陸というので、東京フォーラムまで覗きに行った。
 アルザスのトフランべというクリスピーピザのような生地を焼くお釜を現地から持ってきて、フランスから来た職人さんが焼いていた。並んでいるお客さんは日本人がほとんどだったが、通りがかりのフランス人もいる。お釜の前で耳にした会話で、これは一体どこから持ってきたのだという驚きに、アルザスからだと答え、お互い日本企業で働いているようで、早速名刺交換している姿はちょっと不思議な光景だった。
 ドイツのWeihnachtsmarktと同じようなろうそく立てや、ラオホ人形を売る小屋もあった。行ったことがあるから余計感じるのかもしれないが、ストラスブールという都市自体のイメージが伝わるようなパネルがあったら、もっとPRになるように思う。
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2008-05-06
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 次に青山のドイツ文化センターのWeihnachtsfestに向かった。昨年は人が集まりすぎて、大赤字になったようで、今年はそれなりの工夫が見られた。昨年は満員でホールの中に入れなかったので分からないが、今年はヴァイオリン演奏、クリスマスに関わるキリスト教の常識クイズや、Shanadooというドイツでデビューした女性グループのパフォーマンスなど盛りだくさんの企画で、早々とクリスマス気分を味わうことができた。(G)
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ベルリンMauerfallから 20年、東京でもお祝い [その他]

 11月9日、東京でもベルリンの壁崩壊20年のお祝いの催しがあるという情報が入り、ドイツ文化会館に寄ってみることにした。
 今日はオープンハウス、実際にベルリンから運んできた壁が展示されていた。当時西ベルリンにいた駐日ドイツ大使の講演、ドキュメンタリーフィルムの上映、実際東ベルリンで暮らしていた外交官家族の話など、東京で生の体験談を聞けるとは思ってもみなかった。
 今20歳台の大使のお子さん方にとって、のみを持って家族で壁を削りに行ったことしか壁の記憶はないという。西ベルリンを囲っていた壁のうち東西の境だけは国境ではなく、市の境だったので、外交官はパスポートの提示をする必要はなく、東西を行き来できたそうだ。しかし、途中東西の境も国境にしようという動きがあり、2ヶ月ほど断固抵抗したとのこと。
 写真パネルを見ていたら、ドイツリートの部屋に呼び込まれ、ギターの伴奏でベートヴェン第九の喜びの歌の合唱部分の指導を受けた。当時バーンスタインはFreudeをFreiheitにして歌わせたとのことで、今日はそのように歌った。その後はハイドンのドイツ国歌。実は国歌は勿論、第九もオケでの弾き歌いはしたことがなく、このような機会に初めて歌えたのは、何だか嬉しい。
 念の入ったパーティーの準備もされており、アンペルマンのグッズも販売されていた。現地ベルリンは冷たい雨の中での記念式典だったが、東京は穏やかな晩秋、建物の外には横長のテーブル席があり、名残のビアガーデンだった。(G)
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東京カテドラル聖マリア大聖堂大改修記念展-マルチメディア空間パフオーマンス [その他]

 内部には大分以前に友人の結婚式で1度入ったことがあるだけで、地下聖堂があることは知らなかった。長く曲がりくねった回廊の奥は、明るい感じの礼拝堂で、今回イベントのためにパネルや模型が展示してある。当初石貼りの計画だった外壁は、重過ぎるのでアルミ→ステンレスに変更になったことや、航空法上の高さ制限に引っ掛かるため、当局に提出した要望書(ノートルダム・ケルン・アミアンの大聖堂や広島原爆ドームの比較図面あり)などのトリビアもある。建設時の記録映画や模型、コンペ時の各案(丹下案・前川案・谷口案)など貴重なものも見られる。「丹下健三先生墓所」もある。
 大聖堂に戻ると、オルガン演奏とLED照明によるパフォーマンス。オルガンは今世紀になって改修時に設置されたイタリア製の2代目(初代はオランダ製)だそうだが、水滴の落ちる音のような最弱音から、腹に響く重低音まで素晴らしい響き。刻々と変わり行くLED照明を見ながら聴いていると別世界の心持ちである。
 曲はゴルトベルク変奏曲のアリアの最初の8つの低温に基づくカノンとのことだが、延々3時間に渡る連弾の即興演奏だ。4日の金曜にも開催されるとのことで、一聴・一見の価値あり。
 場内は暗いが、壁に近寄ってみると打ち放しのコンクリートはジャンカも多く意外と仕上げが汚い。最近の建築、例えば新国立劇場の柱などと比べたら随分雑だが、その荒々しさも魅力なのかもしれない。(B)
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ヨーロッパ時間 [その他]

 今回の旅は実に淡々と、事件もハプニングもなく終了した。1ヶ月という時間はちょうどよいのかもしれない。帰国後目に入る日本の光景に何の違和感もなく、待ち受けていた日常に飛び込んだ。ある意味ハプニングは帰国後に持ち越されたとも言える。帰国当日にワルキューレに行ったことも、その三日後に急きょアマオケの本番に乗らねばならなくなったことも、余力を残していたからこそ味わえた感動だった。
 本番前2日間の練習は苦しかったが、ウェン・シン・ヤン先生のマスタークラスの聴講で学んだことを、すぐ実践する機会に恵まれたのは幸運だった。音楽で満たせる幸せな思いを自ら表現する機会は、大事にせねばいけないと肝に銘じた本番だった。(G)

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Goethe-Institut -クリスマスパーティー 2008 [その他]

 初めてゲーテのクリスマスパーティーに行ってみた。青山一丁目のドイツ文化センターに、開宴20分前に着いたのに既にかなりの人。その後授業が終わったと見えて、更に人数が増えて、ホール内の席はあっという間に埋まってしまった。
 ホワイエに何とか席を確保したが、中の様子はよく分からない。食事やビールを求める長蛇の列で、周りは大変な賑わいだ。ビールやワイン1杯、ヴルストなどは一皿で200円、シュトレンなどのつまみやソフトドリンクは無料でとてもお得。ヴァイスビアが本場ミュンヘンのものと見紛うほどうまかった。(コップが使い捨てでちょっと気分が出ないが)聞いてみると、富士山の麓でドイツ人が作っている「エーデルワイス」というブランドだそうで、ネットで検索すると、これのようだ。http://www.bmbier.com/index.html
 少し暗めの照明と、ヴルストを焼いたり、Glühweinの鍋の香りがまさにドイツに居る気分だ。大盛況で、このご時勢の中随分安い値段で楽しめたのだが、家内に言わせると、「私の授業料がビール代に化けている」ということになる。(B)
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↓プレゼントを配るサンタ(?)
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↓ヴァイスブルスト
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↓シュトレン
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↓グリューヴァイン
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東銀座Vinorio Est [その他]

 歌舞伎座正面の小道を入ったイタリア料理店「Vinorio Est」へ会社の同僚数人で行って来た。立ち食い蕎麦やの2階にある、一見ではなかなか入れないロケーションだが、雨の降る木曜の晩にしては、満席の人気である。
 ふだんはそこらへんの居酒屋チェーンで飲んでいる身で、イタリア料理なぞそんなに食べたことはないのので、こってりとした油の多い・・というイメージだが、全然そんなことはなく口に合う。ソースがおいしく、自家製のパンに付けて食べた。
 ビール党の私としては、酵母入りの地ビールがあるのも気に入った。建替え前の歌舞伎見物の後に、是非如何でしょうか?(B)
http://www.imp-inc.co.jp/vinorio-est/
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大学病院から開業医へ [その他]

 主治医のドクターが独立して開業するというので、付いていった。何だか美容師の独立にも似た感じだが、大学病院の場合は、患者が減ることは問題ないのだろうか。
 大学病院ではまさに3分診療だったが、新しい内科に行ってみて驚いた。設備は大学病院並みで、レントゲン、エコーは勿論、鼻から入れる最新式の胃カメラがあった。全部先生が自らやってくれるのだ。
 これまで脈ひとつ見てもらったことは無く、毎回検査データの話しかしたことがなかった先生に、血圧やら、エコーやら、初めて直接からだを診てもらい、すごく緊張してしまった。
 勿論、人間味あふれる先生なので、付いていく決心をしたのだが、エコーを撮りながら、痩せている人はよく映るねー、こんなにはっきり映ることはめったに無いと、まるで子供のように喜んでくれた。
 「かかりつけ医」を目指しての独立、年代も近く、白衣を脱いだ先生がとっても身近に感じられ、これからずっと命を預けるのだなあとしみじみ思った。(G)
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副都心線に乗ってみた [その他]

 昨日開通した新都心線に早速乗ってきた。目黒で練習があるので、普段なら恵比寿まで埼京線のところ、でかい楽器を背負って池袋で途中下車。
 池袋駅はJR改札から結構遠くて、まだ工事中、西武線からだと更に遠くて大変だ。
 取りあえず西早稲田駅で降りてみる。いい天気で、相当の人出、初めての人が多いためか、駅の案内板も人だかり。この駅は、早稲田の理工学部のところにあり、明治通りと早稲田通りの交差点からは相当南寄りだ。早稲田通り直下の駅にすれば、もう少し周囲も賑やかだし、東西線の高田馬場駅との結節点ともなるし、早大本校とも近いのだが、神田川直下が路線の最深部ということも理由なのだろうか?(⇒東西線の下に駅を造るのは無理らしい)
 渋谷駅はかなり大きな駅で、東急線との乗り入れに備えてか、ホームも使っていない2本含め、4本ある。それなりの人出だが、混乱するほどのこともないのに、大勢いる警備員が、「立ち止まるな」とか、順路をいちいち指示していて、結構うるさい。(B)
西早稲田駅を通過する急行電車
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安藤忠雄先生設計の渋谷駅、ご自慢の吹き抜けはベルリン中央駅に比べたら全然小規模、みなとみらい駅とも似ているけど、大したことない
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オットーワーグナー-Kirche am Steinhof [その他]

 土曜12時にアンカーのからくり時計を見てから、フロイトミュージアムに行き、その後14時学校前集合で、オットーワーグナー作のユーゲントシュティールのKirche am Steinhof へのツアーに参加した。本当はWachauへバス遠足の企画だったが、天候が怪しい為、延期され、午後の散歩に変更になった。
↓フロイトミュージアム
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 オットーワーグナーが設計した教会は、ウィーンの西側、U4HuetteldorfとU3Ottakringの間あたりに位置する
 広大な精神病院の敷地の中にある。全体が丘陵地で今の季節緑がとても美しいとことろだ。見取り図下のピンク色部分は全て病棟、窓には鉄格子がはまっている。上部の緑色の部分は広大な庭で、りんごやさくらんぼの木が果樹園のように植わっており、その先はまるでサウンドオブミュージックに出てくるような丘の風景が広がっている。
 環境は素晴らしいが、どれくらい入院患者がいるのか、一般人にも散歩している患者さんにも出会い、救急車も来ており、鉄格子の窓を見ると、たまらない気分になる。
 見学の後さらに、1時間半くらい森の中を散歩し、30mの塔にも上り、よい運動になった。
 今日このツアーに参加したメンバーは、私以外全員シアトルからきた大学生で当然会話は英語だった。
 引率者は校長のヘルベルトと先生のエリザベート。二人とも50歳台だと思う。この女性とは初対面で、初め生徒かと勘違いしてしまった。最初のうちは先生と生徒のように話していたが、そのうちに、彼といっしょに住んでいると言い始め、ヘルベルトに空き巣のことやブラチスラヴァのことをあれこれ尋ねられ、話が盛り上がってくるうちに、すっかり打ち解けて、10年前に二人で日本へも来たことがあると話し始め、何時の間にか、彼女は完璧にウィーン言葉になっていた。彼女もとても明るい人だ。
 エリザベートに尋ねたところ、シアトルの学生は3ヶ月のプログラムで来ており、IKIでは2ヶ月授業があり、他に芸術文化の講義も、IKIが担当している。でも、ドイツ語のレヴェルがばらばらなので、講義は英語でするそうだ。妙な話だ。長い時間練ったヘルベルトの企画が実現したものだが、いまだ満足せず、いろいろ工夫していると聞き、そうか、ヘルベルトは親切な事務の人ではなく校長だったのだと気付いた。学生達は最後の1ヶ月は旅行したり、さらにドイツ語を勉強したりと自由に過ごす。皆、大学の学生寮に住んでいる。(G)
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広大な敷地に病棟
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鉄格子が見える
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敷地内果樹園
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パスポート&運転免許更新 [その他]

 パスポートの有効期限があと3ヶ月なので、昨日更新に行ったところ、写真が不備で、撮り直して欲しいと言われた。10年ぶりなので、うっかり忘れていたが、パスポートの写真の審査はとても厳しい。ちょっと、髪が立っていて1mm顔が長すぎた。その場で撮る写真屋さんは高いので、今日出直した。私の前の人も撮り直しさせられていた。10年前も街中の自動証明写真を持参したが、このマシン、写真写りは今回の方が良いが、顔の大きさの点では10年前の方が正確だった。いっそのこと全員パスポートセンターで、デジカメで正しく撮影してくれれば無駄が省ける。
 ついでに運転免許証の更新もしてきたが、こちらは更新の度、進歩が見られる。かつてもの笑いの種だった顔写真も、今なら十分本人証明になり得るだろう。今回から個人情報保護のため、IC免許証となった。2つの暗証番号設定は初めてで、今後何かとcodeに翻弄されることになりそうだ。6月に中型車免許が新設されていた。(G)


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