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ワーグナー協会例会 パルジファル テキスト編 [その他]

 思えば、パルジファルのテキストそのものについての解説を聞いたのは初めてだった。何度も公演を見るうちに、なぜそうなるの?という疑問も、ストーリーとして受け入れてしまうのだ。しかし、たとえ作品の本質を理解せずとも、心をゆさぶられのが、ワーグナーの音楽、特にパルジファルは、自分には抵抗し難い、惹き付けられる力がある。
 今回幾つか確認できたことは、アンフォルタスが可哀想に感じることの正統性、騎士団のアガペーに軍隊的な印象をもつこと、クンドリーが何者かを見誤ると、パフジファルの変化がわからないこと。最後パルジファルは、疑いなく、救世主になるという美しさを否定するものではないということ。
 1951年に作られたヴィーラント・ヴァーグナーのパフジファルの十字という心理学的図表が、とてもわかりやすく、これを見ると、ワーグナーが、構想やテキストとして書いた、文字情報が理解できるだろう。一方で、感覚的なもの、いわば人間としての苦しみをえぐり出すような音楽なくしては、この作品が成り立たない。多くの作曲家たちが打ちのめされた、言葉と楽譜で表現された深遠なテーマを扱う舞台神聖祝典劇だと改めて気づかされる。
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