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新国立劇場ーローエングリン [オペラ(国内)]

 4日目の公演を聴いた。けっこう舞台に近い席で、歌手も間近に感じ、オケピットの中まで見え、これは良いと思ったが、どうしてもオケの音が気になってしかたがない。春の上野の森のワーグナーシリーズのオケの弦楽器とこちらの管楽器が共演してくれたら、もっと心地よいだろうなと思いつつ、ペーターシュナイダーの弛まない牽引力に頭が下がった。ヨーロッパで、ワーグナーを熟知したオケを振るのと違い、オケの緊張が途切れないよう、常に前へ前へ導くエネルギーは大変なものだ。相当なエネルギーを使うのではないだろうか。第一幕への前奏曲もあんなに細かく振るのかと驚いた。ずれないための職人技だろうか。3幕最後、名乗り、聖杯から迎えが来たと言った後、オケの集中力が、意図的に一段アップしたように感じた。
 シュナイダーは、幕切れ近くで、明確に音楽が最高潮に達するようにしてくれるので嬉しい。以前ドレスデンでフォークトがパルジファルを歌った時の、オケの最後の盛り上がりも、身震いするほど凄かった。
 終演後楽屋口に行ってみると、歌手陣は比較的早く出てきた。エルザ役のメルベートさんは凄い美人だった。ハインリヒ国王役のグロイスベック氏は人なつっこく、ファンと肩を組んで写真に応じていた。フォークト氏は長蛇の列に観念したかのように、自分のバッグを屋内に置き、にこにことサインに応じていた。少しすると、マエストロはもうお帰りになりましたと案内があった。やはり、相当お疲れで、ファンの前に出てこられなかったのだろうか。楽日まで、何とか頑張っていただきたい。
 フォークト氏は、今旬のローエングリンだと思う。日本に来て、歌ってくれて、感謝感激だ。(G)
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