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フロレスタン・トリオ ゴルトベルク編曲弦楽三重奏版(津留崎直紀編曲) [コンサート]

 恥ずかしながら、これまでゴールドベルク変奏曲のを殆ど自分から聴いたことが無く、アリアの美しさだけで満足していた気がする。それでも、今回全曲演奏を聴き、曖昧な知識から想像しても、この編曲はかなり挑戦的なものに感じられる。
 フランス、ドイツで現役として活躍されているプレーヤーのさすがの実力に、まず驚嘆した。私のイメージとしては、現地で聞くヨーロッパの音色だった。Vn、Vlaの先生方は余裕綽綽、まるで一日中でも楽器を弾き続けていられそうな、安定した美しい音色だ。終盤どんどん演奏自体が難しくなるが、Vlaは益々鳴り響き、全体を盛り上げる。そして演奏不可能にも思えるチェロの活躍が驚くばかりで、自ら演奏するからこそ、このような編曲をされたのだろうとアレコレ想像した。
 チェンバロ演奏の技術を弦楽器に移し、例えば2段鍵盤の音を三本の弦楽器で分かち合う大変さはいかばかりだろう。連続したフレーズに聞こえるように奏でる技術も溶け合った音色も素晴らしい。残響を味合うチェンバロに比べ、弦楽器は音を伸ばすことができ、音が広がり、編曲の意図通り、音の立体感を確かに感じる。特にVnとVlaの音は完全に溶け合っていた。カノンは各楽器ごとにテーマが聞こえるので、チェンバロより聞き取り易いと思うが、一度から九度までのカノンが作れるバッハの職人技に、現代人として尊敬の念を新たにした。
 自分にとっては新鮮な出会いで、今更ながら、チェンバロ演奏をYouTubeで聞き、マニアックな技に心動かされた。

J.S.バッハ(津留崎直紀編曲)
ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽三重奏版)
ゴルトベルク編曲にあたって 
〜より有機的で立体的な弦楽三重奏版を求めて〜 津留崎直記

「フロレスタン・トリオ」
津留崎晴代(ヴァイオリン)
上野なち子(ヴィオラ)
津留崎直紀(チェロ)
市ヶ谷ルーテル
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