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フィルハーモニックトリオ ウィーン [コンサート]

 Wiener Phillharmoniker Steude Quartetのトリオでのコンサートがあることを知り慌ててチケットを購入した。会場は日経ホール、残席は最後列だった。ここはコンサート用の会場ではなく、客席が前例とずれていないので、多分私の前の男性も舞台が見えなったのだろうか、5秒に一回くらい、左右に頭を振るので、小柄の身には残念ながら殆ど舞台が見えなかった。
 Vcは先週ロココを聴いた、Wolfgang Härtel氏、VnはコンマスVolkhard Steude氏、Vlaは主席のTobias Lea氏が代理で演奏された。ピアノの三輪 郁さんは、長くSteude氏の伴奏をされているそうで、弦楽器と溶け合う、優しい音だった。
 コンマスのSteude氏はさすがだ。音の軽業師とでも言えるだろうか、あらゆるテクニックを融合させ、曲芸のような軽やかなソロで楽しませてくれた。チェロのHärtel氏の演奏は、ロココの時の印象と同じく、歌心が魅力的だ。ロココの時も音の優しさ、温かさ、優雅さは夢心地の響きだった。ロココヴァリエーションは、腕自慢の若者たちが、よく超絶技巧を披露してくれるが、ヘルテル氏の演奏は、技巧は深いところに音楽の前提としてあり、聞かせたいのは歌う音色である気がする。
 シューマン/アダージョとアレグロはオリジナルはホルンの曲で、とても美しい。でも日本人がチェロで弾くと、アダージョがどうも日本人には合わないようで、名手が弾いても、どういう訳か、音が平面的になってしまう印象がある。ところが、西欧人が弾くと、ごく自然に音が膨らみ、甘いメロディが聞こえてきてうっとりする。Vlaの音色の方が合っているかもしれないと感じる日本人の演奏は聞いたことがある。
 演奏曲順が変更になり、最初に弦楽トリオで会場を温め、ソロを弾いて、後半ピアノ四重奏となった。やはり全て軽やかだ。
 今年の秋、ほぼ同時に来日した、ウィーフィル、ベルリンフィル、ゲヴァントハウス、どれもも聴きは行かないが、ウィーフィルについては、これまでソロでは多分、ヴァルガ氏の美しいバッハ無伴奏しか聞いたことが無かったと思う。でも、その時の空間を漂う音のイメージは、メンバー皆さんに共通する優雅さと美しい音色であることを認識できた。このファジーな心地良さは、ウィーンフィルが世界で愛される理由の一つかもしれない。
 会場でCD販売があり、シュトイデカルテットのCDと、シュトイデ氏と三輪さんのデュオ、三輪さんのソロもあったかもしれない、数種類並んでおり、買った人対象のサイン会があった。

シューベルト/弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471
ヴィオラ・ソロ ブルッフ/ロマンツェ 作品85
チェロ・ソロ シューマン/アダージョとアレグロ
ヴァイオリン・ソロ R.シュトラウス/「ばらの騎士」より ほか
モーツァルト/ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K478
(アンコール:メンデルスゾーンピアノ四重奏三番、3楽章)
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