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6人の若獅子が集う 奇跡のチェロ・アンサンブル Vol.3 [コンサート]

 2016、18年に続き、3回目の開催。細かく覚えているわけではないが、演奏会の印象の変化ははっきり感じる。最年少の方が24歳ということは、皆さん人間的にも立派な大人の音楽家になられた。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2016-12-28
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2018-12-27
 見た目にも辻本さんと他の方々の年齢差を感じなくなってきた。前回は個性を若干抑えてアンサンブルを優先する感じだったが、今年は全員の個性を相互に全て受け入れた上で、アンサンブルを楽しまれている印象だ。一人ひとりの音楽空間が以前よりひろがり、例えるなら、各奏者を包む球体空間がずっと大きくなった感じだ。皆さん最高峰のソリストたちで、音色と歌で、たっぷり楽しませて下さる。今年は前日に名古屋公演があり、二回目の本番であるせか、寸分の乱れも躊躇もない、最高の演奏会だった。
 アレンジャー小林さんが一人ひとりの個性に合うアレンジをされているということで、さらに演奏効果が高まるのだろう。前半のソロ+アンサンブルではソリストより、一番チェロがソリストに合わせることの方が難しいことを知ったと、辻元さんが仰ったが、なるほど、皆さんの間の信頼関係が益々深まったいるのだろうと想像する。
 今年は、前半のソロ+アンサンブルで、一人ひとりはっきりとした印象が残った。辻元さんのストラディバリの美しい音色、最年少上野さんの花のあるチェロ、端正なチェロ、スピード感の素晴らしいチェロなど、得意分野で美しい音色を聴かせてくれた。
 ポッパーのハンガリー狂詩曲は皆が得意なので、毎年パートを変え演奏し面白い。最後アンコールのピアソラは一番が超難しいそうで、今年は上野さん。特に苦しむ様子は伺えなかったが、毎年一番を持ち回りするとのこと。皆平等で、軽々と超絶技巧をこなし、仲も良さそうで、確かに奇跡のチェロアンサンブルだ。ベルリンフィルの12人のチェロのように、壮年の獅子となっても続けていただきたい。
 小林さんには是非編曲だけでなく、チェロアンサンブルのオリジナル曲をたくさん書いて頂きたい。今回少し横の座席だったせいか、また、自分の年齢のせいもしれないが、最初の曲「ファンファーレ」は中音域に音が集中し、少し混沌とした印象で、若干聞きづらかった。チェロの幅広い音域を活用した美しいハーモニーを個人的には、もっと聴きたい。2020年は12月28日渋谷で開催とのこと。

チェロ:辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊藤裕、岡本侑也、上野通明
曲目
ブロッホ:「ユダヤ人の生活」より 祈り
ガーシュイン:3つのプレリュードより
ポッパー:アルバムの一葉
ドヴォルザーク:わが母の教え給いし歌 op.55-4
ラフマニノフ:夜のしじま op.4-3
メンデルスゾーン:無言歌 op.109
ピアソラの世界~リベルタンゴ ブエノスアイレスの四季~
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