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早稲田大学交響楽団-ミクローシュ・ペレーニとドボコン共演 [コンサート]

 ペレーニがワセオケとドボコンを共演してくれた、と敢えて言いたい。ペレーニのドボコンを聴くのは、2009年N響以来で、何も苦労を感じさせない超絶技巧に驚嘆し、その後公開レッスンを聴講して、原典に忠実であるために、テクニックが必要なことを教わった。自分の都合で、音楽を止めたり伸び縮みさせないという点で、作品に自らを捧げる指揮者ペトレンコと共通した音楽の躍動感があるように感じた。
 ワセオケはよく五感を使って、アンサンブルを守り、ソリストに合わせていたと思う。厳しい訓練の賜物だ。マシンのような演奏に徹する経験は、きっと将来、趣味の音楽生活の引退を危惧し始める年齢を遅くしてくれると思う。
 アンコールでは、まるでご自身の練習か、生徒への模範演奏のような、優しく丁寧なバッハ無伴奏6番ガボットを演奏して下さった。(G)

指揮 寺岡清高
独奏チェロ:ミクローシュ・ペレーニ
  Violoncello Solo : Perényi Miklós

チャイコフスキー / 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
Pyotr Ilyich Tchaikovsky / Ouverture fantaisie «Roméo et Juliette»
スメタナ / 連作交響詩「わが祖国」より第2曲「モルダウ」
Bedřich Smetana / Zyklus sinfonischer Dichtungen „Mein Vaterland“ Nr.2 „Die Moldau“
ドヴォルザーク / チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
Antonín Dvořák / Cellokoncert h-moll op.104
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 ペレーニと言えば、まだハタチ前初来日の公演を見ているはず。ヨーヨーマも同じ頃というか1~2年後に初来日したが、彼の場合はCDとかで既に大評判になっていて、鳴り物入りでの公演。私の聞いたのは確か今は無い麹町の都市センターホールでのリサイタルで、あまりのテクニックに唖然とした覚えがある。
 ペレーニについては今となっては細部はサッパリ思い出せないが、N響の定演で、確かドヴォコンではなく、彼らしくシューマンかエルガーとか地味な選曲だったと思う。
 演奏は印象が無いのだが、当時の師匠、今は亡きN響のチェロ奏者だが、凄いのが現れたとレッスンの時、興奮気味で話されていたことは覚えている。何でも、ステージに上がる直前まで、舞台袖で開放弦をワンボウ3分くらいかけて弾いて、その姿は鬼気迫るものがあり、まさに紙一重の人だと言っていた。当時は30才そこそこだろうが、学生の私には子供過ぎて凄さが分からず、けれどその頃から玄人受けはしていたということだろう。
 その後N響とは何度も共演し、わりと最近の来日時ドヴォコンを見に行ったが、OSSIAの部分で元譜より却って難しく弾いていると感じた部分があって、テレビ放映の際確認しようと目を凝らしたが、その部分だけ引き画面になって、やはり企業秘密かなと思った。
 そのペレーニがワセオケと共演、しかも2度目。どういうコネなんだろうか?ともかく学生にとっては得難い体験、一生の思い出だ。
 いつもどおり淡々と、しかし精緻に聞かせてくれた。音量的には大きい方でないので、弦楽器は相当配慮しての細心の演奏で、寧ろ管楽器とソロが被る部分は調整が大変だったと思うが、ワセオケは十分健闘したと思う。(B)
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