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天候不順 [オーストリア]

 朝明けると、本格的な土砂降りだ。ザルツブルクは改装中の中央駅周辺は場末の雰囲気だが、駅ロッカーに荷物を預け旧市街へ向かう。
 リッカルド・シャイー指揮ウィーンフィルのステリハプログラムは、ブルックナー4番と今年テーマの作曲家、リームのヴァイオリンコンチェルトだった。客は、昨日よりは若干多い感じだが、満員ではない。
 ブルックナーは何ヶ所かつまんだ後通す形の練習だったが、私がこれまで弾いてきたイメージとは違う、甘くてまさにロマンチックな面が光る4番だった。勿論爆発する金管や、弦の刻みは見事だった。特にVnの1プルートの若い4人のアクセントを突きあげる全弓の刻みは圧巻で、後方で腕だけで刻んでいる年配奏者が本番まで体力温存を図っているのではないかと思うほどだった。一方メロディー部分はあくまでなめらかにと繰り返し指示があり、3楽章では指揮棒で左腕をなでながらメロディラインで音がホップしたりのアクセントがつかないよう宜しくとお願いしていた。
 リームの編成はVnソリストの他はVn2本、Vla4人・・・・アンネ・ゾフィー・ムターのソロは、音を一つずつ、全弓で弾くだけなのだが、その音色がとても美しいのだ。弓が移動するとと、音色が変わり、なんと言うか、陽射しが移ってくような感じがする。
 ソリストの音と呼応するように、コントラバスの弓で金属をこすり弦楽器のフラジオレットのような響きを作る。同じように聞えさせたいのか、Vnとの音色の違いを気付かせたいのかは分からないが、単純な音を弾くソリストが素晴らしいからこそ、この作品の存在意義があるように思う。
 一通りリームが済むとお客さんはざわざわと出て行き始めた。作曲者や奏者との打ち合わせの後、練習を再開しようとしたが、シャイーは客席を振り返り、苦笑いしているように見えた。
 午後REでミュンヘンへ向かう途中、ヘレンキムゼーへ寄る予定だったが、ザルツブルクを出ると、この先雨で通行止めなので、途中一駅だけバスに乗り換えて下さいというアナウンスがあった。
 ホームに降りると、ミュンヘン側からきたお客さんがこちらの列車を目掛けて走ってきた。私たちは雨の中バス停でバスのドアが開くのを待っていた。すると今度は電車に乗れと言われ、後から来たICEに乗せられギュウ詰めで、立ったままミュンヘンまで一時間少し、運ばれていった。この列車は100分遅れで、ミュンヘンへ到着したそうだ。
 幸いなことに、ミュンヘンは晴れていて、久しぶりに明るい夕日を浴びながら、エングリーッシャーガルテンにあるビアガーデンへ向かった。(G)
ザルツブルク駅補修.JPG
ミュンヘン市庁舎.JPG
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