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ウィーン雑感 [オーストリア]

1.主婦の地位
 クラスの最初の自己紹介の時、自分は主婦だと言う人がかなりいて、ちょっと驚いた。私もただの主婦ですと言ったところ、「ただの・・」は余計だ。主婦は大変な仕事だと、特にスペイン系の人たちに言われてしまった。
 また、こんな場面もあった。週末の遠足のとき、私以外は全員シアトルからの大学生だった。やはり職業を聞かれ、自分は主婦で仕事はしていないと答えたところ、・・・でどう思っているのかと、予想通りの反応が帰ってきた。若者は意欲満々なので、無職に対する反応は厳しい。
 同じ日、初対面の女の先生にも仕事を聞かれた。ただの主婦だと答えたら、またもや、「ただの・・」は余計だと言われてしまった。生活できるなら無理して働くことないじゃないかとはっきり言うのだ。自分も自立している訳ではないと。そこから、校長先生の連れあいだと言う話に発展したのだ。
 多分ウィーンではそれほどまでに、女性が職を得ることが難しいといういことではないかと思う。家主のように離婚して、事業に打ち込んでいる女性もいるが、人間的には魅力を感じるとは言えず、深くつきあいたいという気にはならない。

2.お気楽なウィーン気質
 建物入り口には鍵がありオートロックの場合もあるが、こちらは住人が鍵を持っている。ベルリンの住まいも皆そうだったし、ブダペストで間借りしたときも。そして、きちっと鍵をかけるという習慣は、日本以上に厳しく、みんな、たくさんの鍵をジャラジャラと持ち歩いている。
 ウィーンでも当然のように、私は入り口の鍵を閉めていた。すると2週間して入り口に張り紙がされて、入り口のドアの鍵を閉めるな!というのだ、家主に言ったら、「別に入り口の鍵は必要無いのよ」とあっさり言われた。そして、2日後に空き巣が入ったわけだ。
 空き巣が日常茶飯事というのも信じがたい。先生のルーカスも4回入られたという。この家へ来た時まず、部屋に入るドアの鍵が一個所しかないことにちょっと驚いた。何か特別な防犯システムが入っているのかと思ったくらいだ。

3.ウィーンは南向き
 ウィーンの人はドイツが嫌いだという気がする。同じドイツ語を話していることが耐えられないほど、ドイツを無視しているように思える。できればイタリア人になりたいと思っているのではないか。
 街の人の明るさは、ドイツ人とまったく違う人種という印象を受ける。ルーカスもそんな一人だと思う。後ろに控えているドイツがいつも重荷なのだ。
 音楽もイタリアものを好む人が多い。だからシュターツオパーはドイツものより、イタリアオペラの方がずっと人気も高い。普通の人はオペラといえば、まずイタリアなのだ。

4.つきつめない
 ウィーンではゴミの分別をしない。紙とその他、二つにしか分けないのだ。ペットボトルも回収しない。つぶして、いっしょに捨てるだけだ。
 オペレッタ「こうもり」はウィーンそのものだというのが、今回の実感だ。まあ、どっちでも構わないじゃあないか!何でもいいじゃないか!という気楽さを実践できる、平和な場所なのだろう。優雅と言うべきか。
 私の大事なBioのパンを平気で食べてしまうというのも、ドイツでは考えられない。私はドイツでは、自分で買った食品でも、キッチンに置くものはどうぞ自由に使ってくださいといつも言っている。でもさすがにパンはそれぞれ好みがあるので、いっしょに食べる場合以外、人のものを食べてしまうことは考えられない。
 ただ間が悪かったというだけの話で、滞在始めなら、また買えばよいのだが、あと2日と思って大事に食べていただけに、朝ひもじいのはショックだった。

5.日曜の新聞
 週2~3日無料の新聞が駅のボックスに置いてあるのはありがたい。日曜はお店が休みなので、街中至るところ、電柱などに新聞の入った透明のビニールがぶら下げられ、販売されている。料金はそこについている鍵付きの小さな箱に入れるシステムだ。
 ところが、ウィーンでは実質、日曜は無料とのこと。つまり、誰も箱の中に代金を入れないという、暗黙の了解事項なのだ。夕方になるとそのビニール袋を回収する車が街じゅうを走る。(G)
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