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マスタークラス3日目 [チェロ]

 三日目に入り、聴くだけなのに疲労してきた。先生も、休み無いレッスンでストレスもたまるに違いないが、決して生徒に対していやみを言うようなことはない。日本人ではなかなか考えられないパワーだ。先生の機嫌をとる必要は無いのだ。
 今日はピアニストがいない日なので、先生がチェロでピアノ以上のオケ並の重厚な伴奏をつけてくれた。音楽を引っ張って行ってくれるので、生徒は素晴らしいパフォーマンスをする。
 弾き終えると、まず誉めてから、自分の考えでは・・・とアドヴァイスを始める。ピアニストはいま二なので、先生とのデュオの方が美しいが、あんなにも全力で一日中弾き続けては、さすがにお疲れではないだろうか。いつも食事の時間もいっしょだが、今日はランチの時に外出されたようだった。
 朝9時半から夜は10時少し前までレッスンは続く。たいがい時間は伸びるので、全て聴いていると、実質食事時間以外自由時間は無い。
 生徒が一巡し、2回目のレッスンに入ると指導も細かくなった。当人に一番必要なことを丁寧に、思いやり深く指導している。みんな断然音が良くなっている。すごい変化だ。
 生徒たちも上手だし、彼らの楽器の響きも相当良い。でも先生が生徒の楽器で弾くと、また一段と大きな音が高らかに響く。
 一人だけ先生の方からいい楽器だね、弾かせてみてとおっしゃったものは、無銘の楽器だった。彼はボーイングを直されただけで、ものすごく音が良くなった。
 また、バッハのソナタを弾いた韓国人女子学生は、なぜか石づくりの教会の中で弾いているように、ものすごく残響が美しいのだ。先生の全力投球のffの伴奏にも埋もれない、優しく逞しい響きだった。
 ピアノ伴奏に慣れている学生は、本来のオケ伴奏の音を忘れてしまうことがあり、ダイナミックスをもっと付けるように全員が注意されている。バッハの通奏低音をつけてくれるのも、単音ではなく、合奏の伴奏としてのハーモニーを一人で弾いてくれるのだ。本当に凄い。(G)
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FORUM ARTIUMにて [チェロ]

 FORUM ARTIUMという名の音楽専用の研修施設があるのは、かなり田舎で、オスナブリュック駅から路線バスで30分以上もかかる。国道沿いだが回りは公園のような感じて近くには病院がある。
http://www.forum-artium.de/
 今日は近くのスーパーまで水の買出しにいった。そこで見つけたのは、日本には無い巨大な缶ビールの樽。見事に陳列されていた。
 レッスンは朝9:30~13:00、午後3:00~6:30、夜は7:30~9:30と目一杯ある。建物は古いが個人レッスン用の部屋もあり、皆不満もないようだ。
 今日の曲はバッハ2番、サンサーンス、ボッケリーニのソナタ、ラロ、バッハ6番、シューマンコンチェルト。夕食後、ミュンヘン音大のお弟子さんがレッスンに来た。この男子学生はもう立派な演奏家で、バッハ4番、ペンデレツキの無伴奏、ハイドンD-dur一楽章を聴かせてくれた。日本人でこんなに上手い人はいるだろうか、唖然とするばかりだ。
 Yang先生は若い人のバッハについては、あまり複雑な表現をしないようにと言う。これから30年も演奏を続けるだろうバッハの第一歩なのだから、ハーモニーを第一に考えれば、おのずと答えは一つないしは二つに決まってくると。また、聴衆は一度しか聴かないので、複雑なことをしても、理解してもらえないと。
 レッスンの時、通奏低音をつけてくれるので、和音の変化がよくわかる。また、テンポ感が崩れるのも防いでくれる。6番プレリュードの最後、重音に入る前の小節の和音の変化を考えてくるようにと、昨日宿題をもらった最年少14歳のYuya君は、一晩でパーフェクトな正解を出し、先生を驚かせた。先生は一週間考えたそうだ。
 皆音がすごく綺麗だ。力が入りすぎたつぶれた音は必ず直される。その上で、それぞれの人柄がやはり音にでるのが微笑ましい。(G)
↓これがそのビール缶
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↓FORUM ARTIUMの建物
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Wen-Sinn Yang-チェロ・マスタークラス [チェロ]

 オスナブリュック(Osnabrück)に着いた。元バイエルン放送響首席Wen-Sinn Yang先生のチェロマスタークラスが始まった。
 生徒は13人。午後のお茶会の後、レッスン開始。夕食のお呼びがかかるまで、バッハの6番・5番プレリュード、ハイドンC-dur一楽章、ドボコン三楽章と、4人の生徒のレッスンをたっぷり聞かせてもらった。私は聴講生だが、やっぱり弾きたくなるものだ。
 夕食後は生徒達のチェロアンサンブル。さすがに上手い。パートを回しながら、それでも10曲以上弾き続けると、集中を欠いてくる。誰が一番を弾くかで、曲のまとまりも変化する。
 久しぶりの学生の合宿のようで楽しい。生徒はヨーロッパ人とドイツ留学中の台湾・中国系の学生、日本からの参加者が二人。ドイツに留学している人はドイツ語を普通に話すし、英語を交えても公用語はドイツ語だ。(G)
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