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シティ・フィル定期無観客ライブ配信 [ネット配信]

 数々の実証実験を経て、各地のプロオーケストラが6月定期を機に、活動を再開した。都内のオケはやはり感染防止対策が厳しく求められ、周囲の音を認識できる演奏者間の距離を測りながら、飛沫対策の上に、客席のソーシャルディスタンスを考慮すると、演奏は一時間、まず観客なしでネット配信するというのが安全確保のためには仕方ないのだろう。実はチケット購入できそうだった時期が一瞬あり、先週金曜に電話で問い合わせていたのだが、結論としてのネット配信が苦渋の決断だったことがよくわかる。
 幾つもオケの再開映像を見ているわけではなく、勿論生演奏もずっと聴いていない。コロナ以前になるが、最近はシティフィル、モルゴーア・クァルテット繋がりの先生方が、とても身近な存在となり、この再開の日も、6人の懐かしい方の熱演する姿を目の当たりにし、嬉しかった。
 シティフィルの弦楽器は二人で一つの譜面を見ていた。譜面台一人一台にしたオケが海外でも多いので、これは意外だった。選曲については、皆暗譜しているような、余裕を持って演奏できるポピュラーな曲になるのは当然で、指揮が無くても演奏できるような規模のモーツアルト、ベートーヴェン、ドヴォルザークなどになるのだろう。ベト7という曲は、若者がエネルギーを爆発させる姿に聴衆が共感する、若さの象徴のように私には感じられ、たまに聴く(弾く)と元気がでる曲No1だ。
 この日、プロオケがここまで燃えるのかと、エネルギー溢れる音と演奏姿に感動した。流れているのは汗か涙なのか、魂を込めた演奏はたとえ映像でも素晴らしい。
 ベートーヴェン生誕250年の今年、別な意味で演奏の機会が増えるかもしれない。内容が深く、
演奏規模が丁度よいベートーヴェンシンフォニー、願わくば、これを機に全曲、改めて生体験したい。果たして第九の大合唱が聴ける日は来るのだろうか。
ベートーヴェン 交響曲第7番
指揮:藤岡幸夫
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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ベルリン・フィル八重奏団ーシューベルト:八重奏曲 D803他 [ネット配信]

 本来なら5月の来日公演で演奏するはずだったプログラムが、デジタルコンサートでライブ配信された。細川俊夫先生の新作”texture”(織物)はツアー中10回演奏する予定だったそうだが、この配信が世界初演となった。
 ステージ中央、指揮者の位置に設置された大きなモニター画面には細川先生、それを8人で取り囲んでの練習があったのだろう。配信映像では、樫本さんが細川先生にインタビューする場面もあった。気のせいか、樫本さん、コロナお休み中に痩せて若返ったように見えた。
 textureは、二本、三本と糸を織り込んでいき人類を一つにするという音楽。樫本さんは、とても感動されたと。予期しなかった今という時に希望を持たせてくれて、最初と違う人間になって、自分に戻るとおっしゃていた。私の理解では、それぞれの人が世界と交わり理解し合い、新しい自分に変わるというようなことだと思う。
 演奏者はなるほど音楽から感じ取れるものがあるだろうが、作曲家としては、音楽家自身が醸し出すものを生で体感できないのは残念だというようなことを、おっしゃっていた。
 シューベルトの八重奏は、さすが、素晴らしい演奏だった。Clのフックス氏は、コロナ後の小編成の演奏になって、存在に気づき、今回も堪能させていただいた。
 この作品をTV等で聴いていると、大概途中で飽きてしまう。同じフレーズが繰り返され、冗長に聴こえてしまうのだ。自分も一度若いころ、今思えば60歳近いClの男性の方に、人生の集大成としてやりたかった...誘われ、人前で弾いたことがある。4楽章は長すぎて、本番はカットしたと思うが、若いころ弾いた曲は、恐ろしくなるほど、当時の風景がハッキリ蘇ってくる。残念ながら、あの頃は、この穏やかな、人を包み込むような優しい歌心は分からなかった。歌心のない人は、自己満足でシューベルトを演奏してはいけないと時折思い出すのだが、正に、八重奏もそういう作品だと思う。

フーゴ・カウン:八重奏曲
細川俊夫:八重奏曲(委嘱新作)
フランツ・シューベルト:八重奏曲 D803
ベルリン・フィル八重奏団 Philharmonic Octet Berlin
樫本大進 Daishin Kashimoto (第1ヴァイオリン,1st Violin)
ロマーノ・トマシーニ Romano Tommasini (第2ヴァイオリン,2nd Violin)
アミハイ・グロス Amihai Grosz (ヴィオラ,Viola)
クリストフ・イゲルブリンク Christoph Igelbrink (チェロ,Cello)
エスコ・ライネ Esko Laine (コントラバス,Contrabass)
ヴェンツェル・フックス Wenzel Fuchs (クラリネット,Clarinet)
シュテファン・ドール Stefan Dohr (ホルン,Horn)
モル・ビロン Mor Biron (ファゴット,Fagott)
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