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オランダ人 III [オペラ(海外)]

 開演30分前にチケット売り場周辺に立ち、運よく格安でチケットを手に入れることができた。この日は、舞台に気をとられないように心がけた。時々金管がバイロイトとは思えない音を出したが、まあ暑さ故ということにし、ティーレマンの音楽に耳を傾けた。初日に、オケの音が大きく、声が遠く聞こえたのは、席のせいではなかったようで、パルケットほぼ中央でも、同じ印象だった。ハウプトプローベで、歌がものすごく大きく聞こえたのは、まだ、バランスが決まら無かったせいなのか、あれは完成度とは別の意味で、面白かった。
 この日は2幕の女声合唱が、オケより早くなり、少しバラけたが、男声合唱は素晴らしく、シュトイアマンはちょっと不調、ゼンタは絶好調、テーノルらしい美声のエリックは大きな拍手を受けていた。
 ティーレマンの音楽はどの楽器も、全ての音符に動きがあり、必ず音に方向性があるので、無限に音楽が続くように感じる。オランダ人の音楽は、ワーグナー初期のイタオペ的な明るさがあるが、ティーレマンが振ると、キラキラ音が輝き、何故か、他の指揮者では感じることのない華やかさがある。聴けてよかった。(G)
帰り道、雨と雷と虹
DSC03879.JPG 開演30分前には、もう誰もsuche している人はおらず、通り過ぎる人の視線に耐え、10分位立っていると、普通の開襟シャツのおじさんが、220ユーロのチケットが二枚あると、近づいてきた。お金が無いので、安いチケットしか買えないと断った後、暫くおじさんもチケットを持って立っていたが、誰も欲しいという人が来ない。私は関係なく立っていると、いくらまで払えるのかと、また近づいてきた。私に言っても無駄ですよというつもりで、50までと言ったら、あっさりそれで良いと言う。とても怪しいので、念入りにチケットチェックし、あなたのチケットかと聞くと、友達が来られなくなったからだと。本物のチケットかとかどうか心配だというと、自分は隣の席だと、チケットを見せてくれたので、買うことにした。
 席に行くとお仲間が4人ニコニコ笑って座っており、おじさんは開襟シャツのままだった。日本に行ったことがあるという話から、ハンブルクの人で、友人が急に来られなくなった話など、開演までまで色々話し、日本人に好印象を持ってくれていたことと、バイロイトが初めてて、他人のチケットを売るほどの気合いが無かったことなど、値引きしてくれた背景が分かった。もう一枚は売れなかったようで、私の隣は空席。お仲間たちに、何度もお礼を言うと、私が満足して喜んでいるのを見て、良かっと言ってくれる、優しいおじさんだった。
 今年は、チケットを巡っていろんな出逢いがある。
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