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Fazil Say ピアノソロコンサート [コンサート]

 日本ではトルコ人ピアニスト・作曲家のファジル・サイが、既に有名だったとは知らず、何も予備知識なく、彼のピアノ演奏を聴き、彼の音の美しさ、エネルギー、創造性、芸術性とでもいうのだろうか、とてもピアニストだけで終わる人ではないと、驚嘆した。
 最初のアルバン・ベルクと、次のベートーヴェンでは、全く音色が変わる。体格が良いので、ピアノがものすごく鳴るのだが、急に小さくキラキラしたタッチになっても、音が、一切濁らない。かなり細かくペダルを踏んでいるが、とても雄大で、気球にでも乗って、地球の美しい自然をくまなく見てきたのではないだろうかと思うほど、自然界にある色々な音を聞かせてくれる。
 既に、ベートーヴェンで、独自のアレンジが入っており、チェリストでも、バッハをアレンジしてしまう人がいるので、そんなタイプかなと、まだ懐疑的要素はあった。ピアノに向かって、空いている方の手で拳を握り、指揮し、常に声を出して歌っているので、微妙な意見もあるが、表現力が無限大な気がする。ワーグナーとニーチェという自作の曲は、バイロイトに来るので、ここ2か月で作ったと、舞台で本人が話した。
 カーテンコールは、ひょうひょうとしており、特にニコッともしない。実はシュタットハレの大ホールが満員にならず、3階をクローズしたので、2階の一列目で聴くことができ、音色も響きも、よく分かった。思うに、Steingraeberのピアノも、相当良いのではないだろうか。Steinway よりも、重量に耐える頑強さと、高音の輝く響きは、シュタイングレーバーのホールで聴くときより、よくわかる。大ホールで、シュタイングレーバーのフリューゲルを聴いたのも、初めてだし、この逞しくて繊細な芸術家に、ふさわしい楽器ではないかと、妙なことを考えた。
 アンコールは、自分のアレンジまたは作曲した曲で、ピアノの中の弦を押さえてはじく、名前を忘れたが、そんな奏法もあった。譜面台は置かず(プログラム右端の写真のように)譜面はピアノの中に置く。
 アンコール最後は、ジャズ風の、パガニーニの変奏曲。ラフマニノフの変奏曲とも言えるくらい、ラフマニノフのイメージの上にまた新しい世界を築いたという連続性を感じ、もしかしたら、後生演奏されるヴァリエーションとして、残るかもしれないと思った。(G)
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