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茶藝講座 [台湾]

 この日、本物のお茶の香りと味を体験できた感動が、忘れられない。
 駐在員の奥様方が通っている茶藝講座に、飛び入り参加させてもらい、鐵観音600g1800元から8000元のものまで8種類のお茶を味合わせてもらった。
 手順は、温めたふた付きのお茶碗に2gのお茶と95度のお湯を注ぎ、5分たったら、ふたをずらして、茶漉しを通しお茶を移し、さらに小さなお茶碗に移して、香りを楽しみながら、飲む。お茶葉を捨てた後、残り香も楽しむ。
 美味しいお茶を入れるには5つの条件があるそうだ。お茶、水質、お湯の温度、蒸らし時間、あとは何だっただろうか。茶器だろうか。不思議なことに、5人の生徒が入れたお茶の風味が、確かにそれぞれ、違うのだ。具体的な条件を想像すると、先生がお湯を注ぐ順番でお湯の温度や蒸らし時間も微妙に変わる。熱いお茶碗のお茶を移し変えるタイミングとその勢い、ふた付き茶碗その物の焼きや大きさでもお茶の味は変わるという。ここでは、お水も念入りに濾過した上質のものを使っており、完璧な条件が揃わない限り、最高のお茶の香りを引き出すことはできないのだ。DSC00326.JPG
 
 最初のお茶は、先生が移し変えて下さった。そのせいで、今まで日本で飲んだことこのない、香りのよい鉄観で、おや、美味しいなと思った。次のお茶は自分でやってみたが、茶碗が熱く、恐る恐る移したため、一つめのお茶より高価なのに、美味しくない。3つ目も苦かった。そんなときは、上手に入った方のお茶を皆で試飲し、本当の香りを体験するのだ。私は初めてとはいえ、これは大変だと思った。次はさらに高価なお茶になるので、今度は心して、お茶を蒸す5分間の間に、お茶を移すときのイメージトレーニングをした。茶碗を手もとに引き寄せ、手首を返してお茶を移す練習をして、その瞬間を待った。ビギナーズラックとでもいうのか、この回は、とても上手に入れることができ、先生にも褒められ、皆さんも私の入れたお茶を試飲した。次の回は、5秒前の知らせがなかったので、皆慌ててしまい、私も焼けどするほど手が熱かったが、お茶をこぼしながらも、勢いよく半分くらい入れることができ、それも、先生がうなずいて下さり、成功だった。
 長鉄の春茶(春摘んだ茶6400元)は、本当に香り高く、舌上の奥の方左右で、甘みを感じた。普段舌のこんな場所で味を感じたことがなく、とても驚いた。次は同じ値段の、先生が作った冬茶で、すごく滑らかで後味がよかった。冬茶は韻味佳、春茶は香気高とのこと、本当にその通りだった。私も未知の体験に、とても興奮してしまった。
 美味しいお茶に感動している様を見て、先生も嬉しいご様子だと、皆も喜んでくれた。有朋自遠方来 ということで、特別に最高級8000元の冬茶を先生が入れて下さった。喉韻という表現があるそうで、まさに、このお茶の余韻は口、鼻、喉にずっと残り、心も体も、ふにゃふにゃになるほどの、幸せを感じた。(G)
 
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