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グラーツ雑感 [オーストリア]

 土曜の午後ウィーンからグラーツに来た。車窓からの風景は「里の春」、春爛漫だった。緑一面の丘陵地に、タンポポや菜の花の黄色い絨毯が映えて、民家の庭には、りんごの木だろうか、白い花の樹木が並んでいる。
 グラーツの市街地へ市電で行ってみると、活気があって、生活感がある。ウィーンのリンク内は観光客ばかりで、ホテルが多く、地元の人が食料以外に買い物をしている様子を見たことが無い。
 でもグラーツは旧市街の中に人々の生活空間があると感じた。若い女性も、たくさん歩いている。Trachtというチロルの服を着ている人が多い。男性のジャケットや女性のひらひらしたスカートばかりでなく、現代風にアレンジした女性のスーツもあるのだ。ちょっとしたジャケットもいろいろ見た。
 グラーツの旧市街が世界遺産であることは、地上を歩いていると分からないが、城山から見るとレンガの屋根の風合いが美しく感動する。よくぞ残った中世の街。
 グラーツのオペラハウスで、田園と英雄の生涯を聴いた。田園はゆったりした自然な演奏だった。Rシュトラウスは、ウィーンで幾つか聴いて、全く認識が変わった。
 ドイツの身震いするような強烈な金管の音がしないし、弦も力の限り弾きまくるわけではない。冷静に、正確に音符を音に表現していく。今日の英雄の生涯は、その極めつけだった。
 前半はただ冷静に、音符を指揮者の棒にあてはめていく驚くほど符割が正確な演奏で、音楽やメロディの方向性は全く感じない。楽譜を正確に表現している。
 コンマスのソロもとっても真面目で、演出もなく、ドイツものといわれるRシュトラウスはオーストリアでは、美しく演奏される。こんなに綺麗に演奏されるのに、それでもウィーンの一般の人はRシュトラウスはうるさくて嫌だという。(G)
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