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パルジファル MRメガネ付き バイロイト2023 [オペラ(海外)]

 MRメガネ用のデータはチケット購入時に各自申告してあり、必要に応じて視力を矯正する度付きレンズが重ねられて用意されている。公演前に使用方法説明のため当該オフィスに行くよう勧められている。もし時間がなければ当日座席横の袋内にセットされているメガネをかけても、ほぼ混乱は無い。メガネはコード付きで常に電源に接続されている。メガネ使用グループの聴衆は、開場30分前から入場でき、十分試着する時間はある。会場内にメガネ担当者が数人いて、色々教えてくれる。例えば、途中でレンズが外れて、床に落ちてしまったなど。
 映像は、メガネがスクリーンとなり、そこに全てが投影される。従ってメガネ無しで舞台を見ても何も困らない。メガネをかけると情報が増え、別の視点で作品を観ることになり、一方で、メガネを掛けることで舞台は視覚的に暗くなるので、よく見えず、もどかしくも感じられる。私はメガネを半分上にずらし、二つの空間を気分で行き来しながら観た。
 メガネを掛けると、別の世界が見える。舞台の補完になる部分もあったが、三幕冒頭で、潰れたペットボトルが空間を浮遊し、ビニールのゴミ袋がこちらに突進してくるの見て、ああ、これが言いたかったのかなと、安易に思ってしまった。環境破壊への警告だけではないだろうが、ビニール袋は舞台上には一つしか見当たらなかったが、メガネを掛けると、最後まで大小のポリエチレンの袋が目の前をよぎる。
 プログラムも演出家の話も読んでいないのだが、もう一つの目で見せたいもの、考えさせたいことと、観客が見たいものが、食い違ったとしても、そんなことは、オペラの演出ではいつものことなので、評価は専門家にお任せしたい。
 2幕で槍が空中を飛んできたのは、予想通りだが、その直前に、メガネの映像が全て消えて、何も映らなくなるので、壊れたかと不安になったのは、私一人では無かったようだ。
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