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ARMONIA MUSICA 藤森亮一チェロリサイタル [コンサート]

 藤森先生が10年以上、ARMONIA MUSICA のチャリティーコンサートでリサイタルを開催されていらしたとを知った。そう言えば、モルゴーアやチェロアンサンブルでなく、ソロリサイタルを聴いたことは、20年くらい前に東邦音大で聴いたバッハの無伴奏くらいだ。
 社会人になって週末オケに通っていた池袋。何十年ぶりに訪れたのだろうか、豊島区民センターと豊島公会堂があった場所に新しいビルが建ち、綺麗な街の一角になっていた。昔桜の木が植わっていた公園は広場になって、若者が集っていた。
 コロナ禍のせいか、コンサートのお客さんは少なかったが、いつもは満員御礼のようだ。
 名曲尽くしのプログラムで、雰囲気も和やか、ピアニスト(代表者)と藤森先生が、曲について説明しながら演奏が進んだ。今回気づいたことは、リサイタルにも色々あるということ。奏者の芸術性全てをさらけ出す演奏会ばかり追って来たが、このようなチャリティーコンサートで一番大切なのは、音楽の本質として、安らぎや解放感ではないだろうか。たくさんの小品の後、バッハまで休憩が無かったのには少し驚いたが、バッハで緊張しないために、続けたのかとも思う。やっぱり無伴奏は難しいのだということも良く分かったが、このような場で、動揺を表に出さず、聴衆に不安を与えない余裕は流石のキャリアだと思う。
 藤森先生が加わっているきっかけとして、ある視覚障害の方から、藤森先生の音を聴くと、かつて見た色彩を思い出すというようなお話があったそうだ。控えめなお人柄で、優しい音が人を癒しすのではないだろうか。
 コロナ禍が始まって一切の演奏活動が中止となり、今はコンサートが再開しているが、こういう癒される音楽を私は長らく聴いていなかった。
 N響の首席として、また室内楽でも、とにかく多くの難局を乗り越えて今日に至っている音楽家として、共演者に何か起こっても平然とされているのが、また聴く側の安心感になる。聴衆を包み込むような、人生の豊かさを感じる音楽会だった。また聴きに行きたい。
 アンコールに2曲のアヴェ・マリアが演奏された。最初がピアソラ作、次にバロックのカッチーニ作といわれるアヴェ・マリア。どちらも心にしみる音楽で、穏やかな気持ちで帰路に向かわせてくれるような演奏だった。お彼岸でもあり、またコロナ禍の犠牲者への追悼の意を表したいという意図で選んだという村沢さんのお話だった。

チェロ/藤森亮一 ピアノ/村沢裕子(ARMONIA MUSICA代表)
ポッパー:ハンガリアン・ラプソディ
サンサーンス:白鳥
フォーレ:エレジー
     シシリエンヌ
メンデルスゾーン:無言歌
ショパン:序奏と華麗なポロネーズ
バッハ:無伴奏組曲チェロ組曲第5番
ベートーヴェン:チェロソナタ第3番
豊島区民センター7階小ホール
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