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東京都交響楽団 岡本侑也 ロココ風の主題による変奏曲 フェスタサマーミューザ [コンサート]

 京都からの帰り、新横浜で降りて川崎のミューザへ向かった。
 指揮者カーチュン・ウォンの存在を初めて知った。1986年生まれ35歳。誰もが知る名曲を、丁寧に見易い指揮で、情感を込めて振る様は爽やかで、結構古風にテンポを揺らすが、現代ギリギリの許容範囲をわきまえている印象。オケに馴染みの薄い若い方には、こういう情熱を聴いてもらいたいものだ。
 レプレは真夏に爽やかな演奏で、オケの音も透明で気持ちが良い。
 ロココは岡本さんとしてはとてもロマンティックにテンポを揺らしながら、気持ちを込めて歌い、テクニックはいつものように完璧で、これぞソリストという堂々たる演奏だった。いつもはインテンポの中で歌う感じだったが、指揮者がロマンティックな演奏を望んだのか、夏の解放感のような気分がそうさせたのか、或いは6~7月、クリスチャン・ツィメルマンとモナコ、ルガーノなど演奏旅行し、ブラームスのピアノカルテット2番、3番を演奏してリフレッシュし、心境に変化をもたらしたのか等々、何の根拠もないが、様々に想像を膨らませて楽しませてもらった。
 今回はソリスト主導で、まるで無伴奏の演奏会のように、堂々と、岡本さんがオケを従える演奏だった。こういう岡本さんのコンチェルトは初めて聴いた。ひょっとして、いつも岡本さんが指揮者やオケに気を遣っていたのだろうか。
 理由はどうであれ、これくらい自由に揺らぎ、歌心を感じるロココを演奏してくれたら、皆この曲が好きになると思う。私の周りではクラシックに造詣が深い人でも、ロコロの名演に出会っていないと言う話をよく聞く。ヴァリエーションごとに、こんなに音色の変化を引き出せるチェリストは少ない。とても素晴らしい。聴く度に変貌している演奏に本当に驚くばかりだ。
 後半の新世界を聴いて、ウォン氏がテンポを揺らし、とてもロマンティックであることを痛感した。恥ずかし気もなく、新世界でここまでやるかというのが、正直な印象。若いアマチュアオケを指導してくれたら、心を捕まれるだろう。夏休みに若者に聴いてもらいたいコンサートだった。
 岡本さんは、8/4大阪フィルとドボコンを演奏する。指揮者が高関健先生に変更になった。
指揮:カーチュン・ウォン
チェロ:岡本侑也 *
リスト:交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 *
ドヴォルザーク:交響曲 第9番「新世界より」
ミューザ川崎
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