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モルゴーア・クァルテット第50回的演奏会 [コンサート]

 2020年6月に開催予定だったプログラムがそのまま演奏された。半年間でさらに音楽は熟成されたのだろう。迷いなく信念を貫くような演奏だったと思う。
 普段縁遠い、新ウィーン楽派の室内楽をわざわざ聴きに行くのは、モルゴーアの意欲的な演奏会だから。座席も今回指定席を販売し、万が一観客なしでも開催する覚悟だったそうで、2/5~11まで、初めてネット配信する。
 世紀末ウィーンの音楽を聴いていると、未熟者としては、時々出現する耳慣れた調性の方に光を感じてしまう。予習段階では3人の作曲家の音の印象は異なり、優しさを感じるヴェーベルン、ヴォツエックを思い出す激しいベルク、重厚で複雑な音のシェーンベルク…だったが、生演奏ではやはり奏者たちの個性が現れるものだ。クリアな音が重なってカオスを作るような音楽は、退廃的というわれた時代もあった。
 演奏後の荒井先生のお話はいつも楽しく、弾き終わって、聴衆に向かってお疲れさまと一言、客席の寝息が思ったより少なかったと。シェーンベルク1番は調整音楽だが、無調とDdurの戦いのようで最後Ddurが勝つところが、世界がコロナに勝つというところにつながるかなと思う、というような話だったと思う。また、ネット配信期間は7日間なので、1日一回7日間聞けば、音楽を良く理解できますよと、宣伝もお上手だ。本当にシェーンベルクの1番は綺麗だと思う。
 アンコールに、ヴェーベルンの初期のチェロとピアノの小品で、ピアテゴルスキーのために書いたという作品の2曲目(四重奏に編曲したらしい、短い曲)が演奏され、美しく、救いの光が差し込むような響きを、聴衆の耳に残してくれた。

第1ヴァイオリン:荒井英治 第2ヴァイオリン:戸澤哲夫 ヴィオラ:小野富士 チェロ:藤森亮一
曲目
ヴェーベルン/弦楽四重奏曲(1905)
ベルク/弦楽四重奏曲 Op.3
シェーンベルク/弦楽四重奏曲 第1番 Op.7
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