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静岡交響楽団 東京特別公演 [コンサート]

 コンサート会場入り口で配られるチラシの束、今日では正しくフライヤー言われているが、あれは古風な情報収集術法でありながら、意外とチケット購入意欲には直結するものだ。プロオケのコンサートが軌道に乗り、複数の在京オケの定期会員だった人が再びコンサート通いを始めている。
 静岡交響楽団はそういう友人が教えてくれた。友人はシティフィルの会員で、最近高関健に注目しており、当家が高関先生と思っている私たちと話が合う。
 静岡交響楽団第100回記念演奏会の3回目の公演をオペラシティで開くと知り、初めて静響を聴いた。設立から32年、団員数は多くないが、東京からも近く、エキストラに支えられ、皆真面目に指揮者に食いついてくるところに、大人の情熱を感じた。
 今回長時間プロなので、開演前恒例の高関先生のお話は無かった。
 神尾さんのベートヴェンは、ゆったりしたテンポで十分歌い、ねちっこい弓も速い弓も、全身で全弓を使うようなイメージで、しなやかな体というより筋肉質の強靭な体を連想する逞しい演奏だった。またアンコールにVnソロ版の魔王の演奏してくれて、すごいテクニックをさらりと見せ、汗もかかず全身で熱演し、しかも音は潤わしい。音色の変化が巧みで、旋律はしっかり人の声に聞こえて来る。弦の雑音がなく、さすが、これは凄いと思った。
 幻想の一楽章で、チェロの一人がアマチュアがやるような飛びだしミスをやらかしドキッとしたが、2楽章ハープ2台を舞台最前列指揮者の両脇にセッティングし、たっぷりと美しい音を響かせ、2楽章と3楽章の間チューニングしている間に、男性5人でさっとハープを片付ける手際の良さには驚いた。
 指揮者は暗譜で、きっと研究してこられた通り、適格に指示を出しつづけ、テンポの変化にも、オケが迷いなく飛び込んいける感じがした。かなり速いテンポもになっても、破綻のない、きっちりとしかも白熱した演奏を聴かせてもらった。
 先生に引率され、かなりの人数の多分中学生が来ており、コンチェルトには飽きていたようだが、幻想の打楽器や舞台裏のオーボエの音に身を乗り出して喜んでいた。
 拍手が鳴りやまず、指揮者が閉じたままのスコアを持ち上げ、ベルリオーズ先生が素晴らしいのですよというパフォーマンスをされた。指揮者が、スコアを指して作曲家を称えるしぐさは、最近結構見る。速いテンポできっちりコントロールされ、勢いに流されない幻想を聴かせてもらい、すっきりした気分になった。
●出演
 指揮:高関 健
 ヴァイオリン:神尾真由子
 管弦楽:静岡交響楽団
●プログラム
 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
 ベルリオーズ/幻想交響曲 op.14
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