SSブログ

フレッシュ名曲コンサート 東京都交響楽団コンサート ~岡本侑也 [コンサート]

 岡本さんのロココを聴くのは2年ぶり、5回目。前回は山形で2日連続のコンサートの2日目を聴いた。岡本さんの演奏はいつものびのびと楽しそうだが、この日の演奏は、今までになく、艶っぽく感じた。現在の楽器になって、コンチェルトを聴くのは初めてなので、楽器の特徴かもしれないし、満足のいく楽器に出会い、不都合なく自由に表現できるのかなとも感じたが、とにかく、テーマ冒頭の1小節を聴いて、その甘い語り口に魅了されてしまった。
 勿論いつもテクニックは完璧で、優雅なのだが、26歳の若者は、プラス堂々とアピールする演奏家に変貌していた。清楚で神がかったテクニックと無邪気さで楽しませてくれた人が、がっしりとした強靭さを具えた演奏家になったのだなあと思う。大器の今後の変貌ぶりに目が離せない。
 演奏家としての経験を重ねるほど、楽器も体調も、いつもベストコンディションという訳には行かないこともあるだろう。でも聴衆は、その日の演奏を楽しみに足を運び、その日の音楽を味わい、判断もする。演奏家は大変な職業だとつくづく思う。
 オーボエの副田さんを聴くのは初めてで、舞台の出入りに緊張する姿が、初々しく感じられた。上手だが、私の好みとしては、もっと空間を音が浮遊するような、音に立体感があったらあいいなと感じた。どんどん活躍してほしいと思う。
 以前、ある有名チェリストに聞いた話だが、本番で意図する通りの演奏できる人は少ないと。プロはそれで批判を浴びながらも本番を重ねていかねばならない。演奏家の陰の苦労に敬意を表することを忘れないようにしたい。
 巨匠と呼ばれるようになるまでの年月、節目の演奏録音を残してほしいものだ。

 次の本番は、10/2(金) 広島交響楽団(指揮:下野竜也) 細川俊夫:昇華 チェロとオーケストラのための(日本初演)
「昇華」(Sublimation)は、2017年エリザベート国際コンクール(岡本さんが2位になった)Finalの課題曲です。一週間前、隔離状態で、未発表の楽譜を渡されて、各々本選に臨みました。

【出演】
梅田俊明(指揮)
副田真之介(オーボエ)
岡本侑也(チェロ)
東京都交響楽団(管弦楽)
【曲目】
モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』序曲 K.492
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104から曲目変更
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ(チェロ独奏と弦楽合奏版)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 op.33 (コロナ禍編成上の理由)
 正味の演奏時間は、前後半とも30分ずつ程度だが、休憩時間も30分と長く、返って密を助長しているように感じた。いつまでこの状態が続くのだろうか?
8037A54A-BCBB-4D39-9C60-EB48C0340060.jpeg
D3EA25D2-1021-40BD-B1C3-07DB2FE9474C.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。