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新国立劇場ー夏の夜の夢 [オペラ(国内)]

 コロナ禍で公演を休止していた、新国立劇場の2020/21シーズンが始まった。コロナ対策としては、来場者カード記入が必須で、提出しないと次の検温、消毒に進むことができない。もぎりは各自。着席後の館内放送で初めて聞いたのは、コロナ接触アプリを入れている人は、スマホをonにしておくようにという注意だった。勿論インターネットオフ、アプリを使う人は電源offということで、私は接触アプリは入れているが、電源は切った。
 新制作「夏の夜の夢」の舞台演出は、2004年Devid Macvicar、大野さんが以前音楽監督だったモネ劇場のもの。夢のある古風な舞台で、妖精の世界にいざなう。舞台設定が夜で薄暗く、4階席からでは、オペラグラスを覗いても、歌手の表情や舞台細部はよく見えないが、人の動きは自然な感じだった。
 ブリテンのオペラを観るのは、新国立劇場のピーター・グライアムス以来。夏の夜の夢もヴォツェックとショスタコーヴィチを連想する音楽だったが、全体を通して、強烈な現代的和音の印象は無く、やんわりと現代の音を用いて、物語の夢の世界を上手に表現しているなあと思う。
 初演が1960年というので、私の感覚では新しい。オケは小規模で、今回は1Vn6人、Vcは3人。催眠術のような音楽に包まれ、しばし現実から離れる感じが、今コロナ禍の空虚さを埋めてくれるかもしれない。プログラム解説を読んで、ブリテンの歩んだ「中庸な道」という言葉にすんなり納得した。
 日本人オールキャストそれぞれ大活躍だった。オケが小さいので、4階でも歌手の声がよく聞こえ、少年合唱団が素晴らしかった。個人的にはヘレナ役の大隅知佳子知さんの声に惹きつけられた。力強く存在感があり、美しくよく響き、ふくらみがあって、ワーグナーも歌ってくれそうな予感。カウンタテナーをこんなにじっくり楽しめる作品は珍しいのではないだろうか。

【指揮】飯森範親【演出・ムーヴメント】レア・ハウスマン
キャスト
【オーベロン】藤木大地【タイターニア】平井香織【パック】河野鉄平【シーシアス】大塚博章【ヒポリタ】小林由佳【ライサンダー】村上公太【ディミートリアス】近藤 圭【ハーミア】但馬由香【ヘレナ】大隅智佳子【ボトム】高橋正尚【クインス】妻屋秀和【フルート】岸浪愛学【スナッグ】志村文彦【スナウト】青地英幸【スターヴリング】吉川健一
【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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