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読売日本交響楽団 特別演奏会/日曜マチネシリーズ~この自然界に生きる~ [コンサート]

 プロの演奏活動が徐々に再開されてきた。親しくさせて頂いているバイオリンの先生のコンサートが中央線沿線・立川であり、誘われたのだが、さすがに遠くて諦め、家から最も行きやすい、池袋の読響再開初日の当日券に並ぶことにした。座席表を見ると東京芸術劇場の座席の1階最前列は使用せず、他は一人おきに、3階席まで同じ値段で販売していた。このチケット代はご祝儀のようなもので、再開おめでとうございますと、入口で職員の方につい言ってしまった。
 ホールの空気は久しぶりだ。席は二階のサイドの方で、結構好きな席だった。開演前コントラバスとハープの方が舞台上で音を出していたが、一階席に降りると、ハープがものすごく美しく響いており、一階とこんなに響きに差があったかと意外だった。
 奏者が黒いマスクをつけて出てきたときは、そのまま演奏するのかと気の毒に思い、自分もマスクをして聴かねばならない現状とダブルで悲しくなった。しかし着席するとマスクは外して譜面台に掛けて演奏し、退場時には素早くマスクを付けていた。
 指揮者が登場するまでのホールの沈黙は長かった。皆が緊張していたのか、誰も咳一つせず、微動だにしない。 
 Vnは対抗配置、弦楽器の譜面台は一人一本、小編成で鈴木優人さんのファンが結構集まったのではないだろうか。他の在京オケが、喜び溢れるエネルギー全開の再開演奏会が主流の中、落ち着いたプログラムで鈴木ファミリーらしい、良くコントロールされ、高貴な感じの演奏だった。
 マラ5の4楽章はが始まると、すぐさま自分の耳が退化しのではないかと思った。よく聞き取れないのだ。普通のマーラーサイズのオケで聴く4楽章に慣れているせいだろうが、大ホールで小編成の絞った音を聞くには今後席を選ばねばならないと痛感した。Vlaの音が良く聞こえ、音楽とともに気持ちが高まり、美しい余韻が残った。
 ジュピターは、弦楽器は更に人数を絞り、ピリオド奏法を取り入れているのか、今まで自分が色々聴いた演奏とはかなり違っていた、テンポが速く、軽く、アクセントや抑揚、音の減衰の仕方が新鮮で、違う曲のように感じる箇所もあった。実は自分のアマオケで、3月にジュピターを演奏する予定だったのだが、コロナ禍で本番が中止になっており、改めて難しい曲だと思う。
 本来なら来週は華々しく読響のヴァーグナー公演を2回聴く予定だったのに、あまりに静かなコンサートの滑り出しだった。読響は3回の特別演奏会を通じ、無から音が再生され広がるプロセスを聴かせ、エネルギーも喜びも、だんだんと大きく膨らませていく演出なのかもしれないとふと思った。
指揮:鈴木優人(指揮者/クリエイティヴ・パートナー)
マーラー/交響曲第5番から第4楽章“アダージェット”
メンデルスゾーン/管楽器のための序曲
モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」
アンコール ラモー:歌劇「優雅なインドの国々」組曲(鈴木優人編)から「未開人の和睦のパイプの踊り」(会場では掲示されていなかった、Webページで確認)
休憩なし、約1時間10分 東京芸術劇場
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