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新国立劇場ー神々の黄昏② [オペラ(国内)]

 1週間後、10/14の黄昏を聞いた。オケの音が集約されてきて、正統な音量に近くなり、たまに、行きすぎるところを除けば、音楽に身を任せても良いかなという気分になる。10/11の公演も、かなり評判がよかったようだ。そうなると、ニュープロダクションの公演前半は、チケット代を安くしたらどうかと思う。ヨーロッパではプレミエの日だけ、値段が高いことも普通で、未完成でも、ニュース性に価値があるのだ。でも、オペラ後進国の日本では、謙虚に、まだ完成に程遠いのでという良心を示しても良いのではないだろうか。ハラハラしながら、全公演聞いている人たちが気の毒に感じる。
 この日はラングが調子を取り戻していた。前回は絶叫が目だってしまったが、この日は、バイロイトのイゾルデのような、滑らかで強靭な声に戻り、3幕では輝かしいブリュンヒルデになりきっていた。2幕のハーゲンと男声合唱も、少し前へ出たのか、聞きやすくなり、良くなった。ただし、声質は依然として、美しく透明過すぎる印象。ラインの乙女たちは、グールドの大声量に伍して、美しいハーモニーを聞かせてくれた。本公演では、日本人歌手の活躍も見事で、ゲストとの落差は感じない。
 この日、バックステージツアーに当選した人から聞いた話では、3幕でラインの乙女がジークフリートに手渡す三角形の板は、未来を映す鏡、度々出てくるレンズは、後ろに立つと人が歪んで見えるが、心も歪むという意味。最後炎がジークフリートを包む場面では、奥に人形を横たえてあると。4階席からは見えないが、逆に見えてはいけないものが、見えてしまうことがある。ト書きでは、最後ブリュンヒルデはグラーネに股がり、燃え盛る薪の山に飛び込むことになっているが、この舞台では、群衆に紛れて、白い布を被り動かなる。そして幕切れに白い布を広げ起き上がり「救世主」となるらしい。1階席では、布を被るところは視界に入らないので、甦る姿に驚くことになるが、上階からは全て見えているので、解説を読むまで、最後の意味が分からなかった。
指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲンアルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ加納悦子
フロスヒルデ:田村由貴絵
第一のノルン:竹本節子
第二のノルン:池田香織
第三のノルン:橋爪ゆか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団IMG_3288.JPG
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