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岡本侑也チェロ・コンサート 保谷こもれびホール [コンサート]

 地元西東京市の星!といった扱いの親子コンサートだが、二人の若い出演者にとっては、本気のリサイタルだった。岡本さんは、ミュンヘンに留学して2年、本番も恐らく沢山経験し、夏休みの帰国、この日は同世代の気心の知れたピアニストとの共演でもあり、リラックスして楽しんでいる二人の音楽の場に立ち会った観客は、幸せだった。
 かなり前方の席を買ってあったが、シューマンが始まると、出てくる音の印象が、一年前とは随分違い、とても柔らかく弓の中間部の粘りに潤いがあって、色っぽい。ミュンヘン大学の楽器を貸与されていると書いてあったが……。ブラームスも楽に弾いている感じだ。若い頃は、大概ピアニストが先生方のことが多いが、大人になって、語り合いうことのできる共演者を得られたことが、素晴らしいと思う。
 後半、ホールの後方席に移動して聴いたら、チェロの音も、ピアノとのバランスも申し分無かった。さっきの弓の途中の音などというカテゴリーは、もはや無く、さらに豊かな音色として、いつもの流麗な音楽を進化させているように感じた。遠くを見据える理想的な音楽だと思っていたところに、艶やかさも加味され、ドビュッシーは、ちょっと出合わない美しさだった。さらに、フランクは、隅々まで新鮮さが保たれて、同じフレーズでもいつもどこか新しい、妙な言い方だが、"躍進する"演奏ってあるのだなあと、新たな感動体験をさせてもらった。
出演 : 岡本侑也(チェロ)、高木竜馬(ピアノ)
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