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METライブビューイング ヴァルキューレ [映像・放送]

 序夜の巨大な舞台装置がどのように変身するのか楽しみに半年待った。細い板をつなぎ合わせた舞台セット(マシン)に、一幕では薄暗い森の木々の幹やトネリコ、三幕では岩山などを投影したり、細い板がヴァルキューレたちの馬になったりする。投影された映像の手前に人が割って入っても、あまり気にならないような光だった。セットを動かす騒音を小さくする工夫は随分行なっているそうだが、静かな場面ではっきりと音が入ってしまう。
 カウフマンはジークムントでMet初登場。舞台では前の方の席でしか見ることができない歌手の表情が、アップで見られるのは、やっぱり楽しいものだ。バイロイトのジークリンデ、ヴェストブルックもカウフマンも見目麗しく、一幕の若い二人の純粋な役柄にぴったりで、とてもしっくり行っていた。
 私が初めてカウフマンを聴いたのは2005年チューリヒのパルジファルで、まだ注目株という感じだったが、2009年秋にバイエルンのローエングリンを聴いたときは、何だか声が老けてしまったようで驚いた。その前年頃からベルリンのフォークトが明るい甘い声でローエングリンを歌っていたので、それに比べると暗い感じがしたのかもしれない。
 映画のジークムントは初めからやはり太い声でドキッとしたが、すぐに慣れ、皆演技も上手なので、見ることに夢中になっていった。音楽も出だしのチェロのソロがポルタメントだらけで、その後しばらくぬるっとした感じが続き、これは参ったと思ったが、それもほんの束の間、隣の人がうるさいことに気をとられ、映画館だから仕方ないと自分に言い聞かせて、大きな映像を存分に楽しんだ。
 幕間のインタヴューも面白いし、METライブビューイングは本当によくできている。あと2作も是非見たいと思う。(G)

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