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江戸東京博物館-特別展 五百羅漢 狩野一信 増上寺秘蔵 [美術・博物館]

 恐らく日本史の学習の中で、羅漢のイメージは、何だか無表情で気味の悪い仏教画か彫刻という位で通り過ぎてきた。実際150年前の五百羅漢図が、一般には公開されず、こんな色鮮やかな状態で保存されて来たとは驚いた。解説によると狩野一信の羅漢図は、仏教画の域を超えて相当独創的だったようで、21世紀の今、初対面して、生々しい羅漢の表情や地獄の風景などが、かなり強烈に迫ってくる。もし自分が若い時代に出会っていたら、まず夜中にうなされたと思う。最近思うのは、江戸時代の文化は現代と近さ感じるところが面白い。
  初期の「名相」に出てくる羅漢たちは、今にも動き出し、絵から出てきそうなエネルギーを蓄えているようで、一瞬の表情や動作を捕らえた画面から、あっ、似ている人知ってると何度か錯覚してしまった。
 説法し、討論する羅漢たちの「聴く耳」なのだろうか、大きくて立派に描かれている。中期以降西洋の遠近法を取り入れるようになると、羅漢一人一人より構図の方が優先されてきたようで、10年間渾身の力を振り絞った創作活動の流れを感じ取ることができる。国立博物館の小ぶりの作品とは強さが違い、成田山の作品の中には激しさでなく安らぎを感じた。
 今回は取りあえず全てを公開したことに意味があるのだろう。一部描き方の解説はあったが、どこかでひょっとして作者の人間ドキュメンタリーが発見されないものだろうか。(G)
http://500rakan.exhn.jp/top.html 五百羅漢
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