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デュイスブルク歌劇場-パルジファル [オペラ(海外)]

 2年ぶりに、デュイスブルクのオペラに来た。前に来たときは、オペラの前の広場が工事中で、通行止めだった。駅自体は変わっていないが、周辺はあかぬけてきて、都会的な空気を呼び込んだようだ。
 オペラの横は前からシュタイゲンベルガーだが、広場はすっかり様変わりして脇にCity Palaisという巨大なガラス張りの、広々した空間重視の建物が建った。一階はレストラン、エスカレータを上ると、何があるのだろうか。
 パルジファルの休憩時間、イタリアンレストランで、エスプレッソを飲んだが、以前は考えられない優雅さだ。田舎だと思っていた場所が、むしろ小さな贅沢を味わう場所に変化したのは、旅行者としては嬉しい。
↓オペラ前広場
オペラ前広場1.JPG
↓オペラから見た広場
オペラから見た広場1.JPG
↓イタリアンレストラン
イタリアンレストラン1.JPG
↓開演前の解説
始まる前の解説1.JPG
↓休憩時間
休憩時間1.JPG
↓City Palais
City Palais1.JPG
 オスナブリュックで一週間、朝から晩まで音楽を聴き続けたので、今私の体は頭のてっぺんから足の先まで、幸せな音楽で充たされている。もう十分、満足している。人に何かを伝えるために、音楽の方向性や音楽のイメージがいかに重要かということを学んだ。
 その点だけから言うと、デュイスブルグのパルジファルは、まだ練習段階だった。歌といっしょのところは練習したに違いない。音楽として、歌手は器楽奏者以上にいつも方向性を大事にしているような感じがする。弦楽器でも、まず自分の声で歌ってみて、そのように弾けと昔教わったことがある。
 残念なことに、本当はオケの聴かせどころのはずのどの個所も、見事に無感動な音の羅列だった。まあパルジファルは年一度のイヴェントで、第一回目の公演は練習、復活祭が終わる頃やっと音楽が完成するものなのかもしれない。
 観客も然りだ。一年間待ち焦がれてやって来た人は、前奏曲が始まったのに話を止めない隣人をプシッと3回ほどしかりつけていた。
 オケで、まずがっかりしたのが前奏曲。初めて金管がコラールになるところで、多分ペットの誰かが音を間違えて、違う和音になってしまった。オケのメンバーも苦笑いしていた。またフレーズ間の緊張感あるパウゼのとき譜面台に弓を音高らかにぶつけたVnの若者もおり、3幕までくると伸ばしの拍を間違えたり、初見もどきの怪しい音程が散見した。ちょうどオケ中心にいたVlaの女性が度々あちこちに注意を飛ばしていたが、これくらいが僅かな前向きな姿だった。それでも二幕は非力ながら、一応練習できていた。
 最後までとちっていたTp、一番奏者ではなく、最後立ち上がって拍手の時ようやく姿が見えたが、大あくびをしており、東洋人に見えた。バイトだろうか。そういえば、セミナーに来ていた27歳の台湾からの留学生は、ダルムシュタットに居たとき、パルジファルを弾いたことがあると言っていた。
 一方合唱はよく練習できていたと思う。3階席扉の外や、2階の外にも移って、さほどずれることもなく、天上からの綺麗な女声合唱を聴かせてくれた。リズムの甘いおおらかな指揮で、最初のクンドリ登場のシーンはスキップのリズムとなっていた。
 パルジファル役のエーベルツはパッとしなかかったが、それ以外の歌手は皆温かい拍手を貰っていた。こんな状態ではあったが今回第一回目のパリジファルは何とか幕が下りた。
 デュイスブルグのホテルに入るとそこは、ビアレストランだった。ホテルの部屋は実質4階にあり、エレべーター無しの宿で久々に螺旋階段をよろめきながら上まで荷物を運んだ。どうやらこの日の宿泊者は三人だけのようで、翌朝一人分ずつの朝食がセットされていた。(G)
↓ホテル1階のレストラン
一階はレストラン1.JPG
↓朝食一人前
ホテルの朝食一人分1.JPG
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