飯守泰次郎『ナクソス島のアリアドネ』について(ピアノ演奏付) [オペラ(国内)]
飯守先生がお話されるというので、日本リヒャルト・シュトラウス協会の例会に初めて行ってみた。今月、関西二期会『ナクソス島のアリアドネ』(新国立劇場・中劇場)を指揮する予定。
薔薇騎士の成功の後、ホーフマンスタールの働きかけにより、「劇」というものを伝えようという意図で、小編成36人のオーケストラ用に作曲した作品とのこと。
飯守先生独自に42の示導動機をリストアップして、まだ4つ、5つあるけれど・・・と、ピアノを弾きながら歌ってくださった。それに先立ち、12音の調性の解説がとても面白かった。オーバーコークラーという人が研究したそうだが、12音には宇宙的法則があると、時計の12時をハ長調とし、右まわりに、各調性の特徴を実際の名曲に対応させながら、ピアノで聴かせてくれた。アリアドネでも調性の色や性格を前提に各登場人物の示導動機を理解するようだ。
前にワーグナー協会で、金管の管による音色の違いや、ベートーヴェンの交響曲の調性による性格など聞いたときには、心地よい鳥肌がたったが、飯守先生によると、R.シュトラウスは音符で何でも表現できると言ったとのこと。小刻みな転調が心地よい表情豊かなこの作品で「調性の神秘」が味わえそうだ。
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