SSブログ

ベートヴェン全交響曲連続演奏会2007 [コンサート]

 大晦日の恒例行事になりつつある、ベートヴェン全曲演奏会、第五回の指揮者は小林研一郎だった。イヴェントとして興味があり、行ってみようかという程度だったのに、一番が始まるとあっという間に引き込まれてしまった。弦楽器特にVnの音色が透明で温かく、日本のオケでこんなに綺麗な音を聴いたのは初めてだった。この一年物足りなかったり、失望したりたくさんの演奏を聴いたて来たが、そんな不満が全て帳消しになるほど、素晴らしいものだった。
 それにしてもベートーヴェンは偉大だ。どの曲もそれぞれが個性的で、後世に残そうという意気込みが確かに伝わってくる。コバケンの熱い指揮にオケがピッタリついてきて、特にIstVnは各オケのコンマスばかりで、細かい音まで一糸乱れぬ、凄い集中力だった。誰もが、いつもよりずっと楽しそうに演奏してくれたように感じた。
 適度に休憩はあるが、9曲はいささか私には多すぎる。八番までせっかく、未曾有の体験をしてきたのに、コバケンの第九で一気に現実に引き戻されてしまった。コバケンの第九は、終始熱く4楽章の終わりが凄いハイテンポになる。八番まで満足していたところに、更にご馳走を供され当惑してしまった。第九はやはり特別な曲なのではないだろうか。第九自体にドラマがあり次第に盛り上がっていく曲なので、長大な演奏会の大きな盛り上がりの中で、食傷気味のメインイヴェントとなり、繰り返しもない第九は中途半端な気がする。できれば、一晩寝て、元旦の朝に清々しい気持ちで聴きたい曲だ。(G)




 はるか20数年前、「コバケン」の指揮で第9をやった記憶がまざまざと蘇ってきた。4楽章低弦レスタティーボの極端なアゴーギクや直後のGPの異常な長さ(譜面上、休止は無いのだが)、最後のプレスティッシモのとても弾けない速さなど、基本的には変わっていない。下手くそな学生オケにも真剣に対応してくれた。
 70才近くの現在でも、情熱的な指揮ぶりと、指揮台まで走って登場する若さは健在だ。全曲演奏も、あと10年は大丈夫!
 オケ、特に弦はN響を中心とした各オケの名手揃いで安定している。第9などは12月は自分の所属のオケで十分練習?しているので、コバケンの過酷な要求にも良く応えていた。体力的な理由か、夜が遅過ぎるからか普通より男性が多い印象だ。
 聞くだけでも疲れるが、来年も挑戦するか!(B)
 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0