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フェルメール《牛乳を注ぐ女》 [美術・博物館]

 国立新美術館で、また「牛乳を注ぐ女」に会えるのは嬉しい。一昨年秋、アムステルダムのリングチクルスの合間に、美術館めぐりをしたことが思い出される。ちょうどこんな小春日和だった。
 フェルメールの数少ない作品の中で、「牛乳を注ぐ女」は傑作だと思う。アムステルダムで見たとき、釘付けになった。時を忘れて、また時を越えて絵に引き込まれた。現地では何時間でも気が済むまで鑑賞することができるが、今回は、例によって「立ち止まらないでお進み下さい」と言われ、ロープ伝いに歩く。ゆっくり見たい人は、少し離れて立ち止ることはできる。そんな制約はあったものの、やはり光輝いていた。
 夕方で人も少なく、何度も並びなおして見た。そして、外にでるや否や、グッズの嵐。黄も青も全然違う色なのに、容赦なく目に飛び込んでくる。あまりの量に圧倒され、本物を忘れてしまい再入場。作品を記憶に留め、名残惜しくもお別れした。
 美味しいものを食べたときも幸せだが、素晴らしい絵を見たとき、帰りの満員電車が苦にならないのは不思議だ。座って聴く音楽より、立って見る絵画の方が感覚に訴えてくるものだろうか。立ち続けて足はしびれていても、頭はすっきりして、満足感故か、何でも許せる気持ちになった。(G)


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