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フランス放送po.-フランス・プロ [コンサート]

 金曜夕方、学校から戻ると、マダムがジャージを着て家中を這って掃除していた。風呂か食事かと尋ねられ、思わず外出しますと言ってしまった。
 新装サル・プレイエルは、さっぱりしていてとても感じ良かった。当日券で舞台裏の席だった。今日のオケは、Orchestre Philharmonique de Radio France、プログラムはRoussel 蜘蛛の饗宴、Dukasラ・ペリ、Ravelシェラザードと、日本では聴けない曲ばかりだった。舞台裏の席は失敗した。ドイツのオケなら舞台裏に居るとまるで、自分がオケの中に居るような錯覚をおこして、それなりに気分はいい。ルーセルでは風がぐるんと回るような弦の音色が素晴らしかったが、デュカスは打楽器がものすごくて、後ろからでは弦が聞こえなくなってしまった。

 曲を知らないから、余計に聞こえない感じがするのかもしれない。金管は結構乾いた音で、昨日のフランス国立の方が全体的な透明感が心地よかった。席も影響していると思うので、またラジオ・フランスを聞いてみたい。
 夜帰宅すると、まだ、マダムがジャージ姿で、やっとすべて磨き終わったという。風呂の修理は月曜になるとのこと。結局バスタブを埋め込んだパテが古くかびていて、そこから水が浸透していたらしい。バスタブに接する隣室のキッチンの壁がぼろぼろに剥けている。
 年寄りは話がくどいのは万国共通のようだ。夕方は帰宅しても手を洗う間もなく話しを始められたので、逃げ出したが、夜はこちらも覚悟の帰宅なので、話を遮って、お茶をわかしても言いかと尋ねた。勿論よと言いながら私の前に立ちふさがって話し続ける。
 そして、ついに説き伏せた!また一人かと、くどいので、私は音楽を聴きに、パリにに来ているのだとはっきり言った。仏語にはmusicienという言葉があり、プロでなくても音楽愛好家としてきっぱりと言えるのだ。パリをよく知っているのかと聞かれ、普通日本人は固まっているのに、どうして学校の生徒といっしょに行かないのかと言う。皆クラッシックに興味がないようだが、そのうち誘いたいと思っていると、ようやく言えるようになった。いずれにしても、私は前例のない下宿人らしい。
 マダムは歌が大好きで、金曜の晩はラジオでシャンソンをやっており、真剣に聴いている。そして、時々歌ってくれる。ダンスも得意で世界中のあらゆるダンスを踊れると自慢している。シャンソン合わせて、体もゆするし、一日家中の掃除をした後なのに、本当に、86歳にしてすごいパワーだ。私がか細く見えるらしく、身長・体重を聞かれ、もっと食べろと言われた。マダムにmusicienneとして認知してもらえて、一安心と言えると良いのだが、不安は尽きない。(G)


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