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日独詩人たちの集い-東と西・言葉と音の出逢い [ドイツ語]

 法政大学とドイツ文化センターが主催する、文学と音楽のコラボレーション、言葉と音が出逢う未知なる世界を覗きに、法政大学の26階にあるホールに行った。高層ビルからの眺望は素晴らしかった。
 始めに西(ドイツ)の部で、Albert Ostermaier氏が自作の詩数編を朗読し、Aaam Schlamminger氏が、電源につないだエレクトリック鼓のような楽器で音色を変えながら、即興で伴奏した。二人のお互いの反応や呼吸で朗読する詩の順番を決めるそうだ。床に置いた詩集を拾い上げ、ページを繰りながらの朗読だった。詩は日常の一コマ、異国の印象、サッカーのオリバー・カーンを称えるものまでいろいろな気持ちを歌っている。声のトーンだけでも起伏があり、音との相乗効果で、心情や情景の盛り上がりが聞き手に迫ってくる。
 東の部(日本編)ではポンちゃん山田詠美さんが「色彩の息子-血の声」を朗読し、梅津和時氏がサックスやクラリネットを持ち替えて、情景や心情の描写をする。次にこのドイツ語訳の朗読に梅津氏が音楽をつける。最後にSchlamminger氏と梅津氏が即興で共演した。全体を平たく言えば、効果音入りのラジオドラマのような雰囲気だ。
 人の声に対し、サックスは音量が大きく、しばしば、言葉がかき消された。質疑応答の時の梅津氏の談で、事前に小説を読み、場面ごとに楽器を替えるところまでは構想を持っていたが、実際山田さんの声を聞くのは当日が初めてで、そのイメージに合わせて即興で吹いたそうだ。
 終演後、Schlamminger氏の周りに何人か集まってきた。楽器に興味があるのだ。私も近寄って質問してみた。鼓のようなこの楽器は、イランの典型的なDafという打楽器で、胡桃の木に羊の皮を張ってありお手製とのこと。つぼまった反対側と、胴の部分も叩いたり、爪を使ったりして、色々な音がする。もともとクラッシック音楽をやっていたので、打楽器以外に弦楽器もいろいろ弾くそうだ。羊の皮が湿気てしまうので、小さな電気カーペットのような物の上に皮面が接するように置き、常に乾燥状態に配慮しているとのと。他の楽器の演奏も聴いてみたい。(G)
http://www.saam-schlamminger.de/
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ja1520085.htm


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yukirdam

はじめまして。
文学大好きなピアノ弾き@オランダです^-^
文学と音楽のコラボ、あったらいいなぁなんて漠然と考える事があったのですが、本当に企画が実現しているんですね。うーん、面白そう。
by yukirdam (2006-06-17 23:55) 

スザンナ

素敵な企画ですね。
山田詠美さんの声はいかがでしたか?
この夏に友人とピアノ演奏付き朗読 を企画しています。
お互いの呼吸を感じながら即興 そこまでいけたら楽しいですよね。
by スザンナ (2006-06-18 10:54) 

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