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読響・ヴァイグレー第605回定期演奏会 [コンサート]

 せっかくのGo toイヴェントキャンペーンの割引対象だったのに、再度の緊急事態宣言発令のせいで、売れ行きが伸びなかったのか、サントリーホールの定期は収容率50%確保を目指し、間際までチケット販売していた。
 空間が広いサントリーホールの響きは格別だった。コロナ以前は、人が、久しぶりに聴く生はいいねなどと言うと、そんなものかなあと思ったものだが、今自分もはっとする。生の響きは掛け替えの無いものだと。
 ハルトマンのソリスト成田さんの熱演は、ただならぬ雰囲気で、舞台で飛び上がり突き抜けるような熱演をする若い演奏家が今いるのかと、くぎづけになった。不思議なヴィブラートによる妖気漂う音色はストラディヴァリと奏者の一体感あればこその音。
 弾き終えて、成田さんはかなり長く、1分位に感じられたが、弓を垂直に上げたままだった。私の席からは、弾き終えてから指揮棒も垂直にさらに高く僅かに上がったように見えた。注意喚起だったのだろうか。コンマスは一度下ろした弓を上げ、他の弦楽器奏者は弓を下げず指揮者に合わせていた。会場も沈黙のままソリストを注視していた。僅かに指揮棒が動くと、待ち切れず、拍手を始めた人がいたが、多くの聴衆は弓と指揮棒が下がるまで、余韻を共有していた。後で幾つかYouTubeで聴いたみたが、この演奏は成田さんの個性と、指揮者ヴァイグレの軽やかさがが生み出した傑作だと感じる。成田さんは代役だったわけだが、ツィートマイヤー氏だったらどのような演奏になったのだろう。
 R・シュトラウスのマクベスは、最初の交響詩。後の作品ほど音の起伏がないような印象だが、もしかすると、刺激より安らぎを与えてくれるマエストロの音楽なのかもしれない。
 画家マチスは若い頃、一度だけ弾いたことがあったが、ヒンテミットの作品という以上の興味をもたないままこの年齢になってしまった。耳に残っていたメロディーとともに、弾いた実感は蘇ったが結局それ以降ヒンデミット作品は弾いたことがなく、今は祭壇画が見てみたい。
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
R.シュトラウス:交響詩「マクベス」作品23
ハルトマン:葬送協奏曲 Von 成田達輝
ヒンデミット:交響曲「画家マティス」
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