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新響・飯守ーワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」抜粋 [コンサート]

 新響のトリスタン前奏曲、2幕全曲、3幕3場の演奏を芸劇2階の最前列中央で聞いた。何年か前の新響のトリスタン演奏会の時は、自分が興奮ぎみで、仲間たちとステリハも聞かせてもらった。時がたち、今回はドラマチックというより、全体的に手堅い演奏に感じられた。歌手はオケの後ろに配され、仕方ないことだが、声は聞こえても言葉までは明瞭には客席に届かない。オケは音楽の起伏には乏しい感じだったが、無理して崩壊するより、安定を目指したのだろうか。
 この日、池田さんの演技つきイゾルデに魅了された。3幕の最後は双眼鏡を覗きながら、涙が流れてしまった。池田さんの歌唱は、聴くたびに、感動が増す。こんな素晴らしい歌手が近くに居てくれることが幸せだ。必ずしも海外へ向かわずとも、日本で本物のをワーグナーを全国に浸透させてくれるようなそんな芸術家がいても良い。池田さんは特別な存在なのだから、しがらみのない歌手として、好きなように羽ばたいていただきたい。もっと言えば、昨年末のN響第九の、テノールとバリトンは、バイロイトの名だたるワーグナー歌手だったが、あの見事に強烈な声量に伍する日本人はまだ育っていないと思うから。(テレビで見ただけだが)
 バイロイトでヴァルキューレを歌った金子さんのブランゲーネは優しい声だった。男声歌手陣もオケも皆楽しそうだった。
 指揮もいつになくかっちりしており、きっと練習ですべての思いをオケに伝えてあり、安心して振られたのではないかという気がする。プロでは時間切れで言い尽くせずとも、アマオケはたくさん練習するので、ここまで安心して聞ける演奏になったのではないかと思う。団員の平均年齢は、とても高いが、皆さん衰えを見せず、さすが上手だ。久しぶりに聞いて、華やかだった新響が、アマオケの巨匠へと変貌していくのかなと思った。
指揮:飯守泰次郎
トリスタン:二塚 直紀
イゾルデ:池田 香織
マルケ王:佐藤 泰弘
ブランゲーネ:金子 美香
クルヴェナール:友清 崇
メロート:今尾 滋
牧童:宮之原 良平
舵取り:小林 由樹
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