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フェルメール展&藝大フィルハーモニア管弦楽団ー高関健 マーラー交響曲第7番 他 [コンサート]

 マーラー7番を生で聴いたのは数えるほどだが、この日、奏楽堂の最高の席で、素晴らしい演奏に接することができた。まず、舞台全体を見渡せる中央の席に座したことが奇跡の第一歩だ。全席自由とはありがたい。感謝感激だ。
 そして、演奏会がお祭りではなく、研究発表の場であったことがすごい。楽譜は、国際Mahler協会のMahler新全集版を使用。新全集では、高関先生のご研究も楽譜に反映されている。高関先生が、世界的な学者で、芸術家でいらっしゃることを心から尊敬する。プログラムの先生のインタビュー記事は、必見だ。
 整然としていて、すべての楽器の響きが生かされるような演奏は、作曲家の意図を最大限表現してくれているように感じる。奏者も皆素晴らしく、偉業を成し遂げたような、充実感があふれていたように思う。先生のお話で、出来るだけ固いバチで叩くよう指示があるという、ティンパニーの音色は、今まで聞いたことがないほど、音楽にピッタリとマッチして、感動的だった。この日行かれなくなった連れ合いが気の毒に思える。
 前半のマーラー編曲のバッハの管弦楽組曲からの作品は、1909年ニューヨークフィルで初演された。当時バッハ作品がニューヨークで演奏されることは多くなかったとのこと。弦は16型で華やかだ。マーラーは、生涯で20回位指揮したとのこと。フルートは聞こえることが大事なので人数を増やすか、クラリネットを加えてもよいという指示があり、この日はフルート4本、指揮台正面、弦楽器の間に配された。
 アカデミックな素晴らしい演奏会だった。分析され、再構築された7番の音の違いを、自分には聞き分けることはできないが、音の細部を自ら聴き取りに行く姿勢が音楽を面白くすることを、この夏、ペトレンコの6番からも学んだ。少し距離を置いていたマーラーをあきらめず、また狩りに出ようようと思う。次は年明けの一千人だ。
 コンサートの前にフェルメール展へ行った。今回展示されている8点の中で初めて見る作品は赤い帽子の娘だけだが、ロンドンとワシントンにまだ見ていない作品がある。ベルリンの2作品は、ともに日本に来ているのには、苦笑してしまう。というのは、ベルリンに滞在する時には、閉館前1時間ほど、2作品の前に座るのだが、ほとんど人は足を止めないからだ。2点貸し出しても来館者から苦情が出ることはないだろうという意味なのか。今回入場は予約制なのに、とても混んでおり、残念だった。仕方ないことだが、展示作品と見る人の距離は、日本の方がはるかに離れている。
■曲目
マーラー編曲:《J.S.バッハの管弦楽作品による組曲》
Ⅰ序曲 4/4(第2番より)
Ⅱロンドーバディヌリー 2/2 - 2/4 - 4/4(第2番より)
ロンド→バティヌリー→ロンドの順で演奏。
Ⅲエール 4/4(第3番より) G線上のアリア
Ⅳガヴォット1-ガヴォット2  2/2(第3番より)
編成:フルート(他人数、またはクラリネット1を増強)オーボエ2、トランペット3、ティンパニ、クラヴィチェンバロ(ピアノ)、オルガン、弦楽合奏
マーラー:《交響曲第7番》
■出演
指揮・プレトーク  高関 健 
芸大フィルハーモニー管弦楽団 於 奏楽堂
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