SSブログ

ポリーニ・プロジェクト I   ハーゲン・クァルテット他 [コンサート]

 1947年生まれ、サルヴァトーレ・シャリーノの音楽を多分初めて聴いた。フルートの曲を多く作っているそうだが、静寂の中で、フルートから溢れる息づかいというか、空気の振動で生じる音のヴァリエーションをきっちり分類し、整然と使い分ける音楽だった。時折発する耳をつんざく突然の高音に、前の座席の人が飛び上がったが、私もこの音は苦手だ。Vnの時も、前の人は同じ反応を起こした。Vnの曲が自分は一番美しく感じられたが、これも音のヴァリエーションが明確で、ほとんど耳をそばだてないと聞こえないかすかな音を観客は探しに行く。近くの人のおなかが鳴った音の方が、Vnの音より大きい場面もあり、今回も、現代は微妙な音を探し狩猟するような時代だとまた痛感した。
 後半のシューベルト弦楽五重奏は、美しすぎる曲だが、ストラディヴァリを聴いた後のせいもあり、堤先生の楽器がいかに素晴らしいかが分り、自分の座席からは、その音が突出して聞こえ、微妙に癖のある節回しはあったものの、チェロの2番の活躍が著しかった。むしろハーゲン・クァルテットを堤先生がリードするほどの音に感じられた。後で調べたら、ヨーヨーマと同じモンタニャーナを使っているという記載がネット上にあったが、プログラムには使用楽器の記載は無かった。

プログラム
シャリーノ: 急激に成長するクリスタル[日本初演]/ マッテオ・チェザーリ(フルート)
シャリーノ: 三美神が花開かせるヴィーナス / マッテオ・チェザーリ(フルート)
シャリーノ: 《6つのカプリッチョ》より / 辻 彩奈(ヴァイオリン)
シャリーノ: 反転した空間 / 若林 かをり(フルート), 金子 平(クラリネット)
辻 彩奈(ヴァイオリン)、 岡本 侑也(チェロ)、
中川 賢一(チェレスタ)
シューベルト: 弦楽五重奏曲 ハ長調 D956/ ハーゲン・クァルテット、堤剛

トッパンホール
352813FF-CF02-448D-A133-63846FD093FF.jpeg

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。