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シンポジウム「バイロイトに未来は、有りや、無しや?」 [その他]

 日本ワーグナー協会の第400回記念の例会ということで、標記テーマのシンポジウムが行われた。会員以外にも興味がある内容なので、100名を越える参加者があり、立ち見も出た。
 最近の運営データや、運営史の資料が配布され、祝祭の独自性について、考えさせられた。一時ナチズムのプロパガンダになった祝祭を、戦後、公的助成を受けて、ゼロから立て直したヴィーラントの舞台や、ヴォルフガングが招聘した演出家たちが前衛的であったのは、過去を打ち消し、ワーグナーの意志を守り、時代を先んじる祝祭を運営しようとする姿だった。現在のカテリーナが導入したチケットのインターネット販売、子供向けワーグナーオペラ、有名指揮者、演出家の採用等は、定款にある、作品についての理解を広め、客層を開拓するための試みという一面はある。
 個人的には、あの祝祭劇場の音がある限り、例え様式は変わっても、祝祭は存続する気がするが、未来の継承者は、時代を超えて、作品の中に新しさを見出すことを続けられるだろうか。余計なお世話だが。
 北川先生の力強いお話から、生涯バイロイトに関わるだろう当事者としての情熱と覚悟が伺え感動した。読み替え演出から、観客に考えさせる演出の時代になり、次にどんな時代が到来するのだろう。もう少し聞いてみたい。

司会進行 : 池上純一(埼玉大学名誉教授)
パネリスト: 北川千香子(慶應義塾大学准教授/演劇学)東条碩夫(音楽評論家)岡田安樹浩(国立音楽大学ほか講師/音楽学)
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