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新国立劇場ーばらの騎士 [オペラ(国内)]

 新国立劇場のばらの騎士は、2007年プレミエ以来、4回目の公演。シルマーが登場し、レパートリー公演として、ようやく安定してきたように感じた。楽日に来られないため、二日目の公演を聞いたが、期待を越えて、立派に完成されていたのは嬉しい。
 特別、登場人物が個性を発揮する演出ではなく、優等生的歌と演技の舞台だったが、歌が入る場面は本当に良くでき上がっており、3幕の重唱もとても美しかった。
 改めて気づいたことはメルベートさんの声が、とても華やかだったことだ。元帥婦人役はしっとりした、憂いを秘めた声が好まれるのかと思っていたので、歌い出しを聞いて、はっとした。本来は決して中年ではなく、高貴な若妻役であるので、これもまた良しということだ。ゾフィー役ゴルダ・シュルツさんは、骨のある現代的女性像を演じ、歌も完璧で素晴らしかった。オクタヴィアン役アタナソフは、勿論声も姿も美しい。
 これから楽日に向けて、歌手がもっと舞台に慣れて、演技に自由度が増すだろう期待できる。同じ台詞でも、言い方ひとつで場面の雰囲気や作品の印象が変わるので、最後には、今年の登場人物のキャラクターで舞台を締めてもらいたい。前奏やオケだけの部分は、とても難しく、ドイツでも超一流のオケでないと、手放しで美しさに浸ることは無理だ。慣れているはずの東フィルさんに、もうひと頑張りを期待し、今年はさよなら。

【指 揮】ウルフ・シルマー
【元帥夫人】リカルダ・メルベート【オックス男爵】ユルゲン・リン【オクタヴィアン】ステファニー・アタナソフ【ファーニナル】クレメンス・ウンターライナー【ゾフィー】ゴルダ・シュルツ【マリアンネ】増田のり子【ヴァルツァッキ】内山信吾【アンニーナ】加納悦子【警部】長谷川 顯【元帥夫人の執事】升島唯博【ファーニナル家の執事】秋谷直之【公証人】晴 雅彦【料理屋の主人】加茂下 稔【テノール歌手】水口 聡【帽子屋】佐藤路子【動物商】青地英幸
【合唱指揮】三澤洋史【合 唱】新国立劇場合唱団【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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