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シュトゥットガルト歌劇場の新作「地震」オペラについて [講演会]

 「地震」という言葉に敏感になった今日、地震のオペラという題名に反応し、ドイツ文化会館に討論会を聞きに行った。
  これまで、ヨーロッパの歌劇場のインテンダントが、宣伝に来た講演を結構聞きに行ったが、この日のシュトゥットガルト歌劇場は、聴きに来て欲しいとは決して言わなかった。あくまで、ドイツ文化センターの催しであり、日独双方向の同時通訳付き、劇場の経済的苦労にはふれない、創造的な演劇の話しであって、現在制作中という、興味をそそる企画だと思った。
 会場の客席が扇状で、日本のボックス式の椅子の並べ方とは違い、オペラハウスを連想する。二人の演出家として紹介されたのは、インテンダントのWieler 氏(ヨッシ.ヴィーラー)、ドラマトゥルグMarabito氏(セルジオ・モラビト)、舞台美術のViebrock氏(アンナ・フィーブロック)、脚本家のBeyer氏(マルセル・バイアー)、作曲家の細川俊夫氏、読響指揮者でもあるのCambreling氏(シルヴァン・カンブルラン)、司会は森岡実穂さん、それぞれの立場での話が聞けた。この劇場の舞台が先進的であることは、個人的には10年以上前ツァグロセク音楽監督時代からのイメージだったが、今では、現在人の心に響くことをを第一に、劇場に関わる歌手、コーラス、スタッフ、一人一人が芸術激責任を持って、仕事していることが、この劇場の特徴であるとのこと。(Wieler氏の言だったように思う)
IMG_0418-1.JPG 作曲家細川俊夫氏のお話では、このオペラはドイツ語がとても難解で、日本のドイツ語学者の力を借りたとのこと。Bayer氏の話しでは、原作のドイツ語そのものが音楽に合いにくいため、言葉の引用はせず、作品の精神を新しい言葉に変えて、音楽を割り当てる作業をしているらしい。Bayer氏は言葉と音楽について、Viebrock氏は、舞台美術のあり方について、これより前それぞれ、専門分野の講演している。それを踏まえてのこの日の話しなのだろう。
 原作ハインリヒ・フォン・クライスの「チリの地震」は1807年の15ページの短編小説で、1755年リスボンの大地震をチリに設定場所を移して、災害の後に起きたこと、集団心理などが、がキリスト教世界の中で語られる。
 歌劇場の一行は福島へも赴き、立ち入り禁止区域が解除されたばかりの浜辺や廃墟を見てきた感想を述べてくえた。
 はっきりした宣伝と言わずとも、芸術性の高さを自負した、シュトゥットガルト歌劇場の宣伝効果はかなりあったように思う。この制作ティームでの最後の作品となる「チリの地震」は、2018年6月完成予定。細川氏の作品ということで、いずれ日本への引っ越し公演か、正式な招聘などが、検討されているのだろうか。
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