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新国立劇場ーローエングリン 楽日 [オペラ(国内)]

 ローエングリン楽日、二つのハプニングに遭遇した。
 一つ目、開演前、タクシーから下りたマエストロに行き合った。小雨降る中、方角を見失っているようにお見受けし、思わず駆け寄ってしまった。一階正面玄関でタクシーを下ろされ、劇場の人に迎えにきてもらうことになっているとおっしゃる。渡されたグーグルの地図を見て、ちょっと不親切な感じがした。自分だったら、当然タクシードライバーが見る地図には、この入口まで乗り付けてほしいと日本語で書き込むだろう。ファンを避けての楽屋入りは大変だ。たった一人で、何だかお気の毒に思えた。
 もう一つは舞台の2幕の終わり、フォークト氏が歌詞を間違えてしまった。歌手が歌詞を間違えるのはよくあることと聞くが、自分が気づくところは限られており、今回は、初めてで驚く、身近なアクシデントだった。テルラムントに入れ知恵され、エルザが取り乱し、うなだれてしゃがみこんでいるところで、ローエングリンはエルザに立ちなさい!と言うべきところ、愛していると言ってしまった。気持ちはわかる。エルザを愛しているから、強く立ち上がりなさいと言う訳で、その気持ちは言外にあると思う。でも2幕幕切れで、エルザがよろめきながら頑張って歩くシーンの伏線になっているので、立ちなさいという台詞は結構大事。遥か彼方の客席から見て、フォークト氏が「やってしまった...」という恥ずかしさで、場面以上に長くうつむいていたのではないかしらと、これも気の毒な思いがする。
 この二つのハプニング、新国立に押し寄せた、熱狂的なファンの行動が、影響してないとは言えないだろう。最後に、ほろ苦さを感じた公演となった。(G)
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